マクラの話~頸椎と噛み合わせ~
今朝、銀行に行った帰り道、小西通りを歩いていたら、小さな男の子が空を指差して何か言っています。
そばにいたお母さんは「はい、行こうね」と上を見るふうでもなく手を引いて連れて行ってしまいました。
もしかしたら、彼には大人に見えない何かが見えていたのかもしれません。
今年、JRAのブランドCMというのがあり、タイトルは 「エマズウィッシュ」
エマズウィッシュと名付けられた牝馬の成長の物語です。
”エマ” とは19世紀半ばのハワイの女王の名前だそうですが、日本でエマと言えば絵馬に決まっています。
つまりこれは、絵馬に書かれた願い事というシャレなのです。
こういうことをしてくるのです、JRAは。
そして、かなり競馬のことを書いた昨日の記事の内容は何でしたか?
・・・・・そういうことです。
もしかしたら、僕、フリーメーソンかしら(笑)
これが本日のマクラでございます。
で、マクラの話というのは枕の話で、落語じゃございません。
奈良に住んでいると外国人観光客をよく見ます。
いつも思うのは、外人には姿勢の悪い人が少ない。
少なくとも日本へ旅行に来るような人の中には、猫背の人などいません。
でも片や日本人は、姿勢の悪い人が本当に多いです。
僕は日本人と外人は同じ人間でも似て非なるもの、もっと言うと違う生物だと思っているのですが、それにしてもおかしい。
外人は背筋が発達しているからだろうか?
日本には正座という文化があり、背筋がピンとしているはずなのに。
よく子供の頃注意されませんでしたか? 「背筋伸ばしなさい!」 って。
1m物差しなんか背中に突っこまれたりなんかしてね。
噛み合わせに真剣に取り組んでいると、どうしたって姿勢の問題に行きつく。
下顎の位置を正しくして、噛み合わせを治療すれば姿勢も良くなる・・・・・
でもね、本当にそうでしょうか?
姿勢を治してから噛み合わせや顎の位置を修正する方が、歯科的な治療介入の度合いが少なくなって良いんじゃないの?
噛み合わせを修正すれば姿勢が影響を受けるのはその通りなのですが、治療とすればやる順番が違う気がする。
色々考えた結果、どうやら枕が怪しいぞ、となったわけです。
旅館においてあるような昔ながらの枕であれば、完璧に頸椎を歪め頭を前に押し出してしまいます。
寝相は様々でしょうが、一応最初は仰向けで寝ることが多いでしょうから。
今、僕の中での一番のトピックが寝相なのでして、寝る時の姿勢というものがいかに我々の身体に影響しているか、おそらく一般の方は想像もつかないと思います。
この件に関しては近々まとめるつもりですが、歯科のトラブルもほとんどが就寝時のものであると考えています。
今はたくさんの種類の枕が売られています。
自分の頸椎の湾曲に合わせたものとかもオーダー可能です。
しかし、すでに歪んでいるものに合わせてどうしようってんでしょう?
確かに今の状態に合わせているわけですから寝やすくはあるでしょうが、身体に良いとは言えないんじゃないでしょうか。
歪みが歪みのまま残るというだけの話です。
高枕じゃないと寝られない人というのは、そういう歪み方をしているわけであって、だから自分に合わせた高枕が良いということではない。
例えテンピュールであろうが、頸椎を前に押し出すことに変わりありません。
ではどんな枕が良いのかというと、外国映画で見るようなフカフカ枕、頭を置いた時に包み込むようにしながらも特定の方向に押し出すことなく、頭を横に動かそうとした際には、優しく支えるというもの。
これじゃないかしら。
ちなみに布団は姿勢のことだけ考えるのなら、昔からせんべい布団が一番とされていて、今だったら”すのこベッド”かな。
そもそも日本における枕というものは、いにしえの髪型の人たちが、寝る時に型崩れしないようにという意味合いが強いものをずっと引っ張ってきた。
頭が前方に押し出されると、身体はバランスをとるために腰(腹)を前に突きだします。
そうしないと倒れちゃうんです。
その結果、猫背になるというわけ。
あるいは、仰向け寝じゃない人、左右どちらかを向いて寝たり、うつ伏せ寝を固い枕を伴ってやってしまうと、別の方向へ身体を捻じ曲げてしまいます。
某超有名高齢内科医がうつ伏せ寝を推奨しておられますが、愚の骨頂ですので耳を貸さないように願います。
これらの歪みは、噛み合わせにも絶大な悪影響を与えます。
であれば、特殊なマウスピース使ったり、噛み合わせを治療して全身の歪みを治しましょうも良いんだけど、もっともっと生活指導に時間をかけたら如何なものか。
いや、医科・歯科問わず、生活指導のない医療などあり得ないのだ。
どうですか?
僕、格好良かったですかぁ?(先日、タイトルを防衛した井岡選手のマネ)
ちょっとは歯医者らしかったかな。
ダメ押ししておきますが、一般的な病気のほとんどは寝ている間の問題が大きいということを忘れないで頂きたい次第です。
2013.5.13