少数派の真実
先週のセミナーで講師が見せてくれたスライドで久々に思い出したことがあります。
とある矯正歯科の先生のおそらくは大学院の時の実験だと思うのですが、ラットを仰向けに板にはりつけにしてストレスを与えておいた状態で、途中割り箸を噛ませるとそのストレスが軽減するとの内容です。
何を調べている実験かといいますと、歯ぎしりすることによりストレスを緩和する効果があるのではないか、ということなのですね。
実はこれ、10年以上前にある研究会の発足記念講演で、その実験を行った先生の講演を聞いたことがあり、僕はその場で質問をしたのです。
質問内容は次の通り。
①ラットのような前歯が伸びすぎて自分を傷つけるのを防止するために常に何かを齧っている動物と(だから齧歯類と呼ばれる)そうでない人間において、割り箸を噛むという行為は同等には扱えないのではないか?
②もしそのラットがマゾヒストだったら、はりつけされていること自体が快感になってストレスにはならないのではないか?
全部真面目に聞いたんですよ、もちろん。
いやしくも、動物実験に携わったことのある人間なら、いや動物でなくてもいい、人間相手の実験であっても、10人が10人とも同じ傾向を示すことなど絶対に金輪際あり得ないことを承知しているはず。
そしてこういった生体を使った実験のN数(総数)は通常5匹(人)くらいがいいところです。
そのうち3匹が実験者の意図した結果をだせば、あとはt-検定という便利な統計処理を用いて、いかにもその傾向があるというふうに論文を書き上げるのです。
これ、経験者は語る、ですからね。
統計処理というのが便利なのは有意水準の設定の仕方でどうにでもなる点にあります。
水準を甘く設定すれば、たいていは有意差ありとなり、厳しくすれば有意差は認められないとなるため、実験者は自分に都合の良いように有意水準を決めることが多いのです。
ですから、医科系の論文の統計処理を本当の統計学の専門家が見れば、「はあ?何言うとんのこいつ」ってなること必定なのね。
上の実験では、やろうとしていることは良くわかるし、その意義も認めますが、実験系の構築が非常に甘い。
でも、僕も同じく大学院で研究していた立場なので強くは言えません。
気持ちはよくわかるもん。
今だからこそ、そういうことを言う、ということです。
もしそのラットがマゾだったら?というのもね、個体差があって当然なのであって、どの個体が示す結果にも真実が隠されているはずだということを言いたかっただけなのです。
宇宙の真理には例外は存在しません。
例外が出るのは人間が頭で考えだした似非法則においてだけです。
で、これからが本題なのですが、いつも読んでいて思うjoyヒーリングの会報「いやしの村だより」に載っている体験談。
ディクシャで「心が静寂になった」とか、「今とても幸せです」とか、「家族が仲良くなりました」とか、それはそれで大変に結構なことなのですが、その人はずっとその状態が続いていくの、本当に?
ディクシャセミナーで何も変わらなかった人、益々苦しくなった人だっているはずなんだけどなぁ・・・
そういう体験談が出ないのはどうしてでしょう?
”ならまちワンネス歯科”にお越しくださった患者さんだって、行って良かったと思う人もあればそうでない人もいるでしょう。
どちらも本当なのです。
当院が合わなかった方は、もちろん相性の問題もありますから仕方がないと言えばそれまでなのですが、こちらとすれば一応何がその人にとって合わなかったのかを検討する必要があります。
もっと他のアプローチの仕方はなかっただろうか?
あくまでもその人のためにという視点でですけど。
もし改善できるようなことがあればするべきでしょう。
他にもいろいろ言いたい事があるけど、ま、今日はこの辺で。
僕のこころを感じてみてください(笑)
今日、明日と神戸で義歯のセミナーを受けてきます。
明日はついにやって来ました、第79回東京優駿(日本ダービー)
僕の軸馬は5枠10番、皐月賞3着馬のディープブリランテ
おそらく一番人気に支持されるであろう福永祐一騎乗のワールドエースは果たしてダービー馬の称号を得ることができるでしょうか?
原則としてダービーでの一番人気というのは特別な意味があり、普通はとびません。
僕はこの馬がダービー馬になるのであれば、1番から9番の馬番の中で(8番はワールドエースそのものなので除く)どれかが発走除外とか競走中止になるのではないかと予想しています。
さて、結果はいかに?
では皆さん、来週またお会いしましょう。
2012.5.26