まあ、何ということを言うのでしょう(笑)

歯科医療の目的は「口の健康を通した心も含めた全身の健康および幸せに寄与すること」でした。

この”口の健康”というのは、もちろん虫歯や歯周病がなく噛み合わせも良好な状態ということで、それはすなわち感染や炎症がなく、機能もきちんとしていることを意味しますが、突き詰めていくとどうなるかというのが最近ようやくわかりました。

それは健康のための必要条件と言っても良いかもしれませんが

歯が全体のバランスが取れた状態で咬耗する(すり減る)こと

なのです。

ここで言う”歯”というのは入れ歯や被せ物すべて含みます。

そして通常はバランス良くは擦り減らないのですよ。

これが大きな問題なのです。

う~ん、こんなのブログに書く内容じゃないね。

本来ならサイドメニューに載せるべきものでしょうが、そっちだと体裁整えるのがちょっとだけ面倒くさいんですわ。

 

身体の関節が年齢とともに擦り減るように歯も当然擦り減ります。

あなたが生まれてから今日までずっと右足でケンケンしながら過ごしてきたとしましょう。

左足は一切使わなかったわけです。

すると右足は関節の摩耗の分だけ短くなりますから、ある日両足で歩こうとしても上手くいきません。

左足が長く、右足が短いわけですから、骨盤より上の関節がすべて少しずつ歪まないと真っ直ぐ立つことも難しいでしょう。

非常に単純化したモデルでお話ししたので、実際の生体で起こることとは違うのですが、あくまでもわかりやすくするための話だと考えてください。

 

この話を口に置きかえてみると、どちらか片方でしか噛まないと身体が歪みます。

この状態を長年続けてきて、ある日両方でバランス良く噛もうとすると、当然身体がもっとおかしくなります。

子どもはともかくとして、成人になってから「両方の歯でバランス良く噛んでください」というと往々にして顎の関節に症状が出てしまう理由です。

左右差だけではなく、一本一本の歯で見ていくと、やはりそこにも摩耗度の差があります。

それはその時の体調により下顎の位置自体が始終変化するのと、咀嚼時の下顎の動きの軌跡も変わるからです。

噛み合わせなど瞬間瞬間で変わるのであり、個人特有の噛み合わせが永続するなどということはありません。

 

そしてこれが本題なのですが、歯に被せ物や詰め物をしているなら、その材質の差も大きく影響するのです。

歯のエナメル質の硬さ

金属の硬さ

樹脂(レジン)の硬さ

セラミックの硬さ

それぞれ違う物性をもちます。

また、金属でも樹脂でもセラミックでも、それらの中でも様々な種類があり、そこにおいても差があります。

それらが口の中で好き勝手に減ってくれるわけです。

減るばかりかと思えば、口の中の唾液で膨張する場合だってあります。

とにかく口の中というのは噛むという機械的な刺激だけではなく、温度変化、水分変化、化学変化、さまざまな変化にさらされますから何を使おうが、経年劣化は避けられません。

こうやって口の中では、さまざまな摩耗度の差により、噛み合わせの高い所と低い所が出てきます。

それにより虫歯や歯周病の間接的原因となりますが、口の中が壊れなければ、それは身体の歪みを惹起するのです。

噛み合わせというのは普通に上下の歯をカチカチ合わせるだけのことではなく、咀嚼などの動きの中でのことも含みます。

 

 

現在通っている模型分析のセミナー。

そこで学んだことは、セファロと呼ばれる主に矯正の診断の際に撮影するレントゲンを用いて、あるいはよく顔貌を観察したり計測したり、規格化された模型を作製しよく読みこんでいく等により、その患者さんの骨格、筋肉、身体の使い方の癖、その他諸々のことを勘案し、補綴物(詰め物、被せ物、入れ歯などのこと)を身体に調和させることの重要性です。

たとえ小さな詰め物ひとつといえど、本来はそこまでするべきなのでしょう。

実際問題は、全顎的な治療を望まれて開始する場合を除いて、そこまでする歯科医はいないと思います。

たった一カ所に小さな詰め物をするのに自費の治療で1本1万円で済んでいた治療費が10倍以上に跳ね上がり、診断にかかる時間も数時間を要します。

これはいくらなんでも現実的ではありません。

 

必要性と現実性が乖離している。

というのが歯科の現実だと思います。

噛み合わせと全身の健康は密接に関係しています。

噛み合わせ治療で、ちょっと関連性が考えづらいような身体の不調が治ることもあります。

以前にも述べましたが、国民皆保険のお蔭で国民の口の健康度は確実にあがりました。

それゆえ平均寿命も延びたと僕は考えます。

お年寄りで要介護の人に、もっと良く噛めるようにしてあげて(多くは入れ歯の不調が原因)、殺菌水などで口の中を清潔にしてあげたら、平均寿命は確実にあと10年は延びるでしょう。

しかし一方で、安易な歯科治療の介入が、身体の不調を生んでいる可能性も否定できない。

たくさん治療してもらえばもらうほど、口の中の噛み合わせのバランスが崩れて、その結果身体の歪みを生み、さまざまな病気の原因になっているのではないか。

ここでは材料の摩耗度だけに注目しましたが、アレルギー性とか環境ホルモンとか波動とかも考えたらどうでしょう?

こう考えてくると、表題はあながち誇張しすぎとも言えないのです。

そしてインプラントの抱える本当の問題は、ここにあるのです。

長くなったので続きは明日。

2012.9.4