僕はときどきセンチメンタルになります。

 

きのうの朝、近鉄奈良駅の特急券売り場で難波行きの特急券とスルットKANSAI3千円分を買って改札に向かう途中、横のコーヒーショップから流れてきた彼のコール・ポーターの名曲”Begin the Beguine”が耳に入ってきて、思わず僕も口ずさんでしまいました。

そして改札の手前5mくらいのところで、ものすごい感情がわき上がってきたのです。

 

そのとき、僕は自分の小さな声が目の前にある大気を揺るがして、さっきまで存在しなかった音を生んだことを実感しました。

そして自分というものの存在価値をも実感したのです。

「ああ、僕がいなければこの音はうまれなかった。僕がいるからこの空気は振動し、歌がうまれたのだ」

僕にしか出せない音・・・・

 

なんとも表現しようのないその感覚、いまだかつて感じたことのないその感じに、しばらく浸っていました。

 

改札を抜け、コンビニで新しいビッグコミックを買い、特急に乗り込み読んでいたときのこと。

最初は興味のなかった漫画のページをパラパラっとめくっていると、途中で妙にひっかるセリフが書いてあり、きちんと読みなおしました。

和算をテーマとしたその漫画、今は出奔して行方が知れない偉大な算術士を父に持つ少女(米倉律)に、父のことをよく知るお殿様が彼から託された言葉を娘に伝えます。

それが・・・・・・

 

算数の心は学ぶものではない

いいかい、律

おまえは算数で

算数はおまえなんだ

計算のお作法なんか いつだって学べる

それより自分の心に 問うてごらん

「一」とはいったい何なのか

どうしておまえの心の中に

この世のどこにもない「まんまる」があるのか

そして

己の心一つをもって

思うさま算数の世界で遊ぶがよい

 

・・・・いたく心を打たれました

そして次のように思いました。

 

「ああ、この感情をもって、このひと粒の涙滴を世に送り出すのは世界中で僕しかいないのだ・・・・・」

 

先日ブログで書いた人生の目的。

「人生とは自分を愛することができるようになる旅路である」

あれ以来、こういったことが頻繁に”僕の中で”起こります。

さまざまなシンクロがやってきますが、起こるのは”自分の中”です。

ああ、ほんと、僕が不十分な人間で良かった。

だって、だからこそ、こういうメッセージが書けるんだもの。

 

Begin the Beguine    ビギン・ザ・ビギン

あとのBeguineとはサンバやマンボと同じく、ある地域(マルティニック島)の音楽のことです。

でも、そういったことを除けて直訳すれば

「始めることを 始めよう」

 

たしか、来年2013年のテーマは「自分はどこから来てどこへ行くのか?」 でした。

そしてこの10月以来、それを問われるような出来ごとばかり僕に起こります。

自分が何者か、自分を何者と宣言するのか、しょっちゅう確かめさせられます。

 

どうして、特急券を買って何も考えずに歩いている”あの”ときに、コーヒーショップからこの音楽が流れてきたのでしょう?

それって、愛じゃないの?

誰からのって、自分の、自分の中の、深いところから・・・・・

 

考えてみれば、僕が生涯で最初に自然に頭に浮かんだ詩がこれなのです。

本にも書いていますし、このブログでも紹介しました。

 

~いやしの言霊~

 

わたしは あなたが大好きです

いまのまま そのままのあなたが大好きです

あなたがただ そこにいるだけで

なぜだかとても うれしくなります

そんなあなたに 両手いっぱいの

花束をおくります

本当に 本当に ありがとう

 

           わたしの大切なあなたへ

 

いま、書いていても泣けてきます。

 

こんな僕でいいのね?

 

こんな僕でよかったぁ。

 

で、本日のオチですけど、昨日の午後から散髪屋さんに行った時のこと。

その近くに周辺住民大反対の葬儀屋さんがついに完成していました。

「もう、できあがりましたねぇ」

「そうなんですよ。なんか、今度プレオープンするらしいですよ」

「プレオープンて、何それ? 仮死状態の人が運ばれてくんの?」

 

その場にいた一同が笑いに包まれたことは言うまでもない・・・・・

(実際はB級グルメの屋台とかが出るのと、会員になったら自分の葬儀が割安でできるそうです・・・・って、なんじゃそりゃ?)

2012.11.9