NHKの「あまちゃん」でついに2011年3月11日のことを放映しました。

津波そのものはジオラマを使って表現していました。

あれを見ていて、失われた命もそうなのですが、そこで営まれていた個人の、家族の、会社の、社会の物語がプツッといきなり切れたということに涙を禁じ得ませんでした。

 

今から20年ほど前、虫歯の原因は噛み合わせの不調和からエナメル質に微小な亀裂が入って、そこから細菌感染を起こすのであるという僕の意見は全く受け入れられませんでした。

でも今ではそれがほぼ常識となっています。

7年くらい前から言っております心の不調和が口の中の虫歯や歯周病として顕現するのであるという僕の話は今現在もほぼ受け入れられておりません。

最近自分的にわかってきた咀嚼の仕方や嚥下の仕方が間違っているから、歯並びが悪くなったり顎関節症を起こしたりするのだという話も全然受け入れられないようです。

 

そんな僕がこのたびヒョンな縁からFEI整体なるものを学ぶ機会に恵まれました。

FEI整体について大ざっぱに説明致しますと、例えば頭のどこかを机の角にでもぶつけたとしましょう。

ぶつけた頭蓋骨はその部分が凹むかもしれません。

果たして身体の変化はそれだけでしょうか?

少し頭を柔らかくして考えてみてください。

身体がひとつの粘弾性体だとして、どこかに加わった衝撃は当然のことながら身体の隅々にまで及びます。

ぶつけた部分だけが変形するというのは稀でしょう。

他の部分も連動して変化しないと全体として身体のバランスをとれないからです。

その結果、症状は往々にして最初にぶつけた場所と全く違うところにでることが多いのです。

40肩で肩周辺は確かに歪んでいるのだけれど、その歪みの大元の原因は身体の別のとんでもないところにある、てな具合です。

 

今は急性症状としてお話しましたが、通常最初にぶつけてから症状が出るまでには時間がかかることも多いです。

極端な例では出産の際に産道を通る時に受けた歪み、子宮にいる時に受けた歪みが、年齢を重ねてから出るということもあります。

前世で・・・・てなこともあるにはあるんですが、それはちょっと横においときましょう。

 

そういった中で、噛み合わせの不調和、あるいは下顎のズレというものをどのように考えたら良いのでしょう?

これまでだと、マウスピースをいれてみて症状が消えたら噛み合わせが原因、そうでなければその症状と噛み合わせは関係ない、というような診断法が多かったと思います。

Oリングや波動だけで診断をして歯を削るという行為に出るのは随分勇気がいりますね。

下顎のズレは連動した一連の歪みの過程の一つかもしれない。

そういった場合でもそのズレを修正することで症状が緩和することもあります。

でも根本的な診断は外しているわけです。

 

もし身体の歪みをとり、またその歪みを起こしていた根本原因を探ることにより、顎のズレが修正されるのであれば、噛み合わせをさわらずに済むかもしれないし、歯を削ったり被せ物をやり直したりせずに済むかもしれません。

まず噛み合わせの診断をする。

そして身体の歪みの診断をしてその歪みをとる。

再度噛み合わせの診断をする。

これでしょうね、これからは。

 

ただしこの整体法は習得するのにかなりのトレーニングを必要とするので、習ったからといってすぐできるという類のものではありません。

でも施術というのは本来そうなのであって、セミナー受けてすぐ出来るという方がおかしいし、虫が良すぎる気がします。

歯科でも役に立たないセミナーほどテキストは分厚くなります。

役に立つセミナーというのは、テキストは薄くトレーニング時間は長くなる道理。

 

さて、身体を歪める一番の原因は先ほど述べたような明らかにそれと思い出せる外傷ではなくて、どちらかといえば長年の癖によることが多いようです。

足を組むとか腕を組むとか頬杖をつくとかで、指摘しても本人は「わたし、そんなことしていません」などと言われたりします。

その癖が根本原因なのであれば、それを止めてもらわないと治療しても何の意味もありません。

僕が噛み合わせ治療をする際に、必ず指導するその人の噛み癖や嚥下の仕方などもそれに当たります。

 

もし僕がこの施術を会得するようになれば、噛み合わせの世界に新風を吹かすことができるでしょう。

これからはきちんと症例記録を残していき、発表することにより歯科医師の意識を変えていければと思います。

今までにも、歯科医自身が整体を施術したり、あるいは近くの整体師と連携したりして噛み合わせ治療を行うところは少なからずありました。

しかし僕の見たところ、そこには歯科医側の治療者としてのエゴが色濃くみえることが多くあまり好きではありませんでした。

またその整体法が稚拙であれば、それで治る治らないという話ではなく、身体と噛み合わせの関係性の真実から遠ざかってしまいます。

そもそも大元の原因は何か?

FEI整体は僕に歯科医としての進化のきっかけをもたらしてくれるかもしれません。

あとは僕がどれだけ真剣に取り組むかによります。

 

最近、当院にも金属が身体に悪いからセラミックにして欲しいという人が来られます。

そういう時に僕は次のように言います。

確かに金属はアレルギーやガルバニ電流などの問題があるので、あるよりはないほうが良いでしょう。

ただし、今の詰め物や被せ物を外すという行為自体も歯にとってはかなりのダメージですし、多少なりとも今よりも歯を削るようになります。

それをこれだけの本数の歯について本当にやりますか?

皮膚科で金属と身体の症状との因果関係が明らかにされており、その金属も特定されていて、被せ物にそれが含まれているのであれば治療するにやぶさかではありません。

また現在アトピーで苦しんでいるとかであれば、積極的にアレルギー検査をお勧めもします。

でもただ金属が身体に良くないという思い込みだけで、セラミックにすべて変えていくというのは僕はどうかと思います。

口の中の金属が身体に害をなすかどうかというのは、実はその人の免疫力とか抵抗力とかによる所も大きいので、それらを低下させている原因を除去するほうが優先順位高い気がします。

もちろん一本しか金属の被せ物が入ってなくて、それをセラミックにというのであれば、その方が審美的にも自然だろうし喜んでやりますけどね、お金も欲しいし(笑)

 

インプラントもそうですが、金属アレルギーの問題があるから全部セラミックにやり変えましょうとか、身体の症状の原因は噛み合わせだから是非治療をしましょうなどと、そこが歯科の生き残る新しい市場であるみたいな捉え方をされている人もいて、果たしてどうなのかなと思います。

2013.9.4