かつてこういう患者さんもいました。40代の女性です。

 これまた同じく左下の第一大臼歯の痛みなんです。前後の歯も相手の上の歯も含めて全く問題なし。場合によっては上の歯の痛みを下に感じたりすることもありますから。
 で、僕が問うたのが「最近、息子さんと何かあったん?」
 患者「・・・・・・いいえ」
 僕「でも、原因それしかないんだけど」
 患者「例えば息子が最近独立して家を出て行ってわたしが寂しい思いをしてるってことですか?」
 僕「だからぁ、そういうことを言っとるんだよ」

 もちろん何もせずに症状は消失。

 右側の第一大臼歯なら娘さんとの関係。もちろん必要ないときにはそんなこと患者に伝えませんが、以前二人ほど妙齢の女性に言ったところ、どちらも 「うちの娘はほんとにロクでもない娘で・・・・」との答え。 
 つい先日もそういうことを言った女性患者は、「それ娘のことじゃなくて母です。最近、母との間がちょっと・・・・」 ということもあるので、自分が娘の立場で、ということもあるのでしょう。
 
 漢方医が脈診だけで診断しないように、僕は総合的に判断しているのであって、何でもかんでも心理的な面から決めつけているわけではありません。
 このような診断法をしている歯科医はフランスに一人だけいるのを知っていますが、彼女と僕とは少し見方が違います。そもそも西洋人と日本人(東洋人ではない)とは全く別の生物だと思っておりますので。

2014.6.9