例えばオルメテック錠というのは腎臓でのNa再吸収抑制や血管の平滑筋に働いて血圧を下げる作用があり、現在最も汎用されているものですが、その正式な添付文書には次のようにあります。

(重篤な副作用)
1.血管浮腫 2.腎不全 3.高カリウム血症 4.ショック・失神・意識消失
5.肝機能障害・黄疸 6.血小板減少 7.低血糖 8.横紋筋融解症 9.アナフィラキシー 10.重度の下痢
(その他の副作用)
皮膚、循環器、消化器、泌尿器、精神系他多数

で、これだけ怖い副作用がたくさんありますよ、というつまらないことを言いたいわけではありません。
まず、主作用、副作用という言葉に含まれるトリックに気づいて欲しいのです。
一般名オルメサルタン メドキソミルという化学物質は、血圧を下げるということを目的とすれば、それが主作用で、他に現れる身体症状は副作用になるというだけの話なのだということです。目的を高カルシウム血症の治療とすれば副作用が即ち主作用になり、降圧作用は重篤な副作用ということになります。
つまりは、頻度の差こそあれ、化学物質を身体に入れると各所で様々な影響が出るという当然の話であります。
ここで新薬が認可されるまでの過程をみてみましょう。
最初はラットなどの動物実験です。その結果が良好であれば、医・歯学系の学生掲示板に高額のアルバイト募集の紙が貼られます。言ってみれば人間モルモットですね。ホテルで缶詰になり薬を服用しながら数時間ごとに血液検査や尿検査をするわけですが、学生ですから皆が真面目なわけではありません。僕の同級生などは友達呼んで宴会したり、彼女連れ込んだりしていました。どんなデータじゃ(笑)
まあ、そこでも結果が良好であれば大学病院にお願いして臨床治験とあいなります。治験の書類を作るのは結構面倒くさいので、多忙なお医者さんの手を煩わせるまでもないと、もしかしたらMR(医薬情報担当者)が代わりに書いたりすることもあるのかもしれませんし、ないのかもしれません。その際に生データをこそっと改ざんするなんてことも、もしかしたらあるのかもしれません。
そんなこんなで新薬承認となるわけですが、学生による人体実験はオルメテックの場合で6人~24人でしか行われていないようです。期間は長くて7日間。臨床治験は569症例、長期観察は一応1年間(何人の被験者かは不明)
さて、ここからが大事なところです。
短期的には副作用が自覚的・他覚的な身体症状としては出現しなくとも、体内では確実に薬による生化学反応が各所で起こっております。降圧剤などは無思慮に10年以上飲み続ける(医者は出し続ける)のが普通ですから、副作用の蓄積効果というものが当然出てきます。歯科医は数ヶ月に一度、定期健診という形で何年にもわたり患者さんと付き合っているのでわかるのですが、ある時突然なんらかの症状がでることがあります。症状は様々ですが、認知症のようなものだったり、眩暈だったり。どう考えても生活習慣等の問題ではなく、もしかして薬?ということが多いのです。もちろん確証はありませんが、僕は自分の臨床的な感を信じます。
単一薬剤でも長期服用の影響は不明なのに、何種類も飲んでる人はどうなるのでしょう?薬による複合汚染というのは非常に恐ろしいものだと思っています。
では血圧のコントロールは必要ないのかということですが、そもそも本態性高血圧は原因不明とされていて、原因のわからないものに対症療法を行っているわけです。原因がないのではなく不明なのであれば、それを究明する努力こそ必要でしょう。
治療というのは治癒を目指すから治療なのであって、降圧剤による血圧のコントロールはそれが長期にわたる限り、高血圧症の治療などではありはしない、という当たり前のことをほとんどの人がわかっていないのは絶望的でさえあります。

4月12日投稿分より  

ここで僕が問題にしているのは、薬剤の盲目的な長期投与の危険性についてであって、薬を全否定しているのではありません。

我々歯科医には、定期健診等を通じて患者さんを長期間にわたり観察しているからこそわかることがあって、それは一般の開業内科医は知りえないことです(本当はそうであっては困るのですが、現状はそうです)

ですのでこれに対する医師のいかなる反問も全く意味をなさないと申し上げておきます。

2014.5.10