新型コロナウイルス蔓延中の2021年2月

ワンネス歯科は今後も新たに現れるかもしれない

感染症への対応も鑑み

思い切って院内を全面的に改装いたしました。

歯科界のオピニオンリーダーである

中村健太郎先生に監修していただき

ヨーロッパ標準であるドイツの

RKI(ロベルトコッホ研究所)ガイドラインに基づく

感染対策を実施できる環境を整えました。

医療において何よりも大切なのは安全です。

日本におけるほとんどの歯科医院では

アメリカのCDC(疾病予防管理センター)の

ガイドラインを用いており

厚労省も日本歯科医師会もそのように勧めています。

実はCDCのガイドラインは歯科用のものではなく

医科用に作られたものを歯科に準用しているので

実際に運用するにあたってはいろいろと

合目的でなかったり

やたらと器材器具をラッピングしたりと

無駄なことも多いのです。

ドイツではかつてコロナの流行以前に

歯科診療所において

感染症によるクラスターが多発したことがあり

それを機に国は厳格な歯科に特化した

感染対策の基準を作成しました。

それがRKIガイドラインと呼ばれるものです。

CDCとRKIは、どちらが優れているとは

言いづらいですし

日本の多くの歯科医院は感染対策に

非常にまじめに取り組んでおられます。

ただRKIのガイドラインに照らしてみると

日本の歯科医院でそもそも開業許可が

下りるところはかなり少ないでしょう。

そのくらい厳格なのです。

もちろん改装前のワンネス歯科も例外ではなく、

ドイツ基準=ヨーロッパ基準では即刻診療停止でした。

それでも日本の基準には則っているし、

感染対策に手を抜いていたわけではありません。

ただ、今後どのような新型の感染症が

流行したとしても、

その度に院内の感染対策を見直すとか

新しい器械を導入するのではなく

普段と何も変わらずやっていれば良いという

状態を作りたかったのです。

そのためには最新の器材も確かに必要なのですが

それよりも正しい感染対策を実施できる

環境である必要があります。

現在の当院の感染対策の要点は以下の通りです。

 

■院内の土足化

スリッパの方がきれいようですが、

患者さんが使用するごとにスリッパの中を消毒する

スタッフの労力は半端ではありません。

それよりは土足化し、

こまめに清掃する方が管理しやすいです。

また消毒済みとはいえ

他人の履いたスリッパに対する心理面や

人前でブーツや靴を脱ぐ女性の気持ち、

足の悪い高齢者のことを考え土足化にしましたが、

やってみて思うのはこれで正解!!です。

■患者さんが来院したら検温・アルコールによる

手指消毒に協力してもらう。

アルコールがNGな人には特別な洗浄液を用意する。

■診療室を個室化することにより治療により

出た飛沫やエアロゾルを診療室の外に出さない。

■診療室内の飛沫やエアロゾルはチェア備え付けの

バキュームと口腔外バキュームにより吸引。

それでも漏れたものは

排気システムにより屋外へ出す。

■診療室は歯科医師専用の部屋と

歯科衛生士専用の部屋に分ける。

これにより器材器具の管理がより容易になる。

■器材、器具はできるだけ収納し

使用時以外は表に出さない。

それにより器材器具の飛沫やエアロゾル

による汚染を防ぐ。

■患者さんには治療開始前に特別な

口腔洗浄水にて含嗽してもらい

その後、患者さんに持参してもらった歯ブラシを用い

歯科衛生士が口腔内全体をブラッシングする。

それによって、よりきれいな状態で治療を開始できる。

使用後の歯ブラシはその場で洗うと

汚染飛沫が飛ぶため、

そのまま返却し自宅で洗ってもらう。

■診療台から出る水は含嗽用のものも

含めて殺菌力を高めた水になっている。

スタッフが手洗いする水も同じ。

■歯科医師、歯科衛生士は

(当院のスタッフは全員歯科衛生士)

診療室内において、手袋を外すことがあれば

必ず手指消毒をする。

手袋はそのたびに交換する。

■手洗いは手が汚れている場合に行う

専用のクレンジングローションによる衛生的手洗いと

手が汚れてはいないが手袋を外して

何かを触った場合に行う

専用アルコールによる手指消毒を使い分ける。

とにかく感染対策の基本は手指消毒です!!

■患者の治療が終了すれば

すぐに診療台や室内を清掃消毒する。

■使用した器具はその場で専用の運搬箱に入れ

蓋をした状態で

ステライゼーションルーム(消毒室)に運ぶ。

これによって汚染された器具を落として

汚染を広げるという事態を防ぐ。

■ステライゼーションルームでは、

統一した会社の器械を用い

すべての工程を一元管理する。

器具の洗浄はすべて機械化。

■ステライゼーションルームにおいては

汚染されたもの→洗浄・消毒→高度な滅菌

の流れになるよう設計されており、

汚染されたものと、消毒されたもの、

滅菌されたもののそれぞれが

入り混じらないようにしている。

■印象体(歯の型どりをしたもの)も

専用の運搬箱に入れ

密閉された消毒器の中で一定時間洗浄消毒する。

その後、石膏を注ぐなどしてスタッフのみならず

技工士の安全も確保する。