保険でカバーできる治療とその費用についてはすべて厚労省が決めたものです。

決められた財源の中で国民皆保険を実施するわけですから仕方がありません。

ただ、患者さんに治療方法を提示する場合、最善の方法を考えるとなれば当然保険の範囲を出てしまいます。

例えば保険で認可されている詰め物に使用する金属は必ずすべて腐食(錆びる)します。

腐食するということは、イオン化した金属が体内に取り込まれてそこに蓄積されたりアレルギーの原因になったりするということです。

でも最初に言いましたように財源が限られているので高い純度の金を使ったりは出来ないわけです。

保険の金属は約12%の金を含みますがそれ以外に銅、パラジウム、亜鉛など数種類の金属を含有していてこれらが良い影響を与えません。

しかし、詰め物に使う金属としての物性を保ち、ある程度安価であるためには入れざるをえないわけです。

その他の治療もそうなのですが、保険診療の範囲では我々は決められた材料と治療費の中で最善をつくすということを余儀なくされているわけです。

ですから、真面目にやればやるほど採算が合わないということなどしょっちゅうであり、これは私だけでなく全国ほとんどの歯科医がそうなのです。

自費(保険外)の治療費

皆さんは歯科医に対してどのようなイメージを持っておられますか?

少なくとも私の知る範囲においては皆さん本当に患者さんのためにベストを尽くしていらっしゃいます。

休みの日も研修を受けたり、仕事が終わってからも技工をしたり論文を読んだりして、とにかくオーソドックスな治療をないがしろにせず、かつ最新の技術身につけるように努力されている先生がほとんどです。

 

自費(保険外)の治療費となるとこれはもう歯科医院によって千差万別であります。

なぜそういうことになるかというと、ひとつにはかかっている経費が違うことが挙げられます。

例えば田舎の持ち家で開業している医院と銀座の一等地のビルの一階を借りて開業している医院とを比べれば、その家賃だけではなくスタッフの賃金や患者さんの価値観も違うので当然後者の方がセラミック一本とっても高くなります。

もうひとつは、その治療そのものに付加価値を与えるということが考えられます。

ブランドもののバッグを例にとると、それらの定価が今の半分以下だったら、そのブランドの価値自体が下がりますよね。

だから例えばインプラントならうちの医院でやれば、これだけかかります、でもうちでのインプラント治療はそれだけの価値がありますよ、ということで一般的な相場から言えば高めの料金設定をすることがあります。

これはひとつの経営戦略ですから決して非難されるべきことではありません。

歯科治療の原価について

さて”ならまちワンネス歯科”ではどうかといいますと、まあどこでもそうでしょうが、自費治療の押し売りみたいなことはするわけがありません。

問診票にどのような治療法を希望するか書く欄があるのですが、保険治療を希望されている患者さんでも、その他の選択肢とその内容を知っておかれる方が良いと思うことがあるので、そういった場合には各治療法のメリット、デメリットをお話します。

そして肝心の治療費に関しては当院では原価のおよそ4倍という決め方をしています。

これは一般的に言われていることでして、治療にかかった経費の4倍が医院として比較的適正な料金であるとされています。

4倍と言うと取り過ぎみたいに思われるかもしれませんが、歯科医の技術料や治療にかかった時間そして、その後の医院に対する設備投資や技術の研さんに必要なお金等を考えたら、経験的に言っても確かに適正だと思います。

最近、私は患者さんにわかりやすいように原価がいくらかをお話しすることが多くなりました。

自費の入れ歯を作られるのなら、技工所から送られてきた納品書に書いてある請求金額をお見せするのです。

ですから治療にかかる時点では大まかな見積もりは出せますが、細かいところまでは難しいのです。

以前は抜けている歯が何本かによって入れ歯の料金は決まっていたのですが、設計は症例により様々ですし、そうなると技工料金も変わってくるからです。

こうしますと結局のところ、以前より私が患者さんに請求する金額は安くなることが増えた気がします。

これからの世の中はこのように、いくらの原価に対していくらの利益を上乗せしているのかを正直に提示できないような商売のやり方は成り立たなくなってくると考えています。

逆に言うと、今世間で売られているもので原価を知ったらバカバカしくってとても買えないものはゴマンとあります。

あれもそう、これもそう・・・。

だから大きな会社が不必要に儲けているのですよ。

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