岳(がく)~みんなの山~
僕が普段愛読しているビッグコミックオリジナルで連載されていた表題の漫画。
最新号で最終回を迎えたその話なのですが、その前にひとこと言っておきたい事がある。
昨日、大阪歯科センターに見学に行くために乗った近鉄特急で読もうとサンケイスポーツを買いました。
表一面がタイガースの記事なのは別にいいのです。
裏一面と裏の見開きのほとんどがAKB48の選挙の話で、誰がセンターになったとかそんなこと。
それ自体も大変に馬鹿馬鹿しいのですが、その中にほんの小さなスペースで三笠宮寛仁親王の御逝去の記事が・・・・・。
いったい、日本の新聞はどうなってるんだ?
あまりに腹がたったので、僕は金輪際サンスポを買わないとともに産経新聞も読まないことにしました。
脳味噌腐ってるんじゃないかと思います。
気を取り直して、知らない人のためにあらすじを述べておきましょう。
「岳」の主人公、島崎三歩(さんぽ)は若いながら年季の入ったクライマーで、今は北アルプスでボランティアとして山岳事故の救助にあたっています。
ある時、長野県警の山岳救助隊の若い隊員である阿久津と二人で救助活動をしていましたが、突然の雪崩に巻き込まれ阿久津は瀕死の重傷を負います。
そのことに大いに自責の念に駆られた三歩は、もう一度クライマーとしての自分自身を見つめ直すため、単身エベレストの難コースに挑みます。
時を同じくして、勤めていた会社を辞めエベレスト登頂を目指す小田という若者がいました。
彼は世界各国から集まったクライマーたちとガイドの案内の元、三歩とは違うコースですが山頂を目指します。
ところがこのパーティは悪天候のため登頂を諦めるも、ベースキャンプに戻る途中に遭難しかけてしまいました。
そこに自身のアタックを無事終えた三歩が助けに来ます。
死と隣り合わせの状態で、なんとか全員を安全な所まで連れて降りますが、そこに自分たちとは別のパーティの遭難者から「助けて!」との無線が届きます。
皆が反対するなか、無茶な登攀をして遭難した自業自得とも言えるインド隊のたった一人の生存者のために三歩は無酸素で救助に向かいます。
そ・し・て・・・・
無事ベースキャンプまでたどり着いた小田は無線で三歩に連絡をとります。
インド隊の遭難者はすでに息絶えていますが、無酸素の三歩は意識が朦朧として要救助者が死んでいることすらわかりません。
トランシーバーの向こうから聞こえる雑音混じりの三歩の声。
「もう少し。もう少し待って彼が目を覚ましたら、コーヒーを飲んで、それから降りるから。もう少し。もう少しだよ・・・・・」
それから数年が経ちました。
小田は今、長野県警山岳救助隊員として働いています。
重傷を負った阿久津隊員は、車椅子に乗って町の交番に勤務しています。
そして、三歩とペアを組んで何度も遭難者を救助してきた県警の椎名久美。
彼女は今日も救助活動を続けながら、次のように思います。
「あんなに山が嫌いだったわたしが、今もこうして山にいる。
三歩さんの残していったもの・・・・
山への想いと、登山者への愛、あふれる笑顔。
阿久津君や小田君、わたしも、、、、
もしも三歩さんに出会ってなかったら、今も山にいただろうか?
わからない。
でも、ただ一つだけわかることがある。
わたしは・・・・・いや、わたしも、
島崎三歩に出会えて良かった」
「迷惑かけてすみません」と謝る要救助者に手当てをしながら彼女は、かつての三歩の口癖を伝えます。
「良く頑張った」
そして三歩を慕っていた父親を穂高で亡くした孤児のナオタも、成長して今、ワイオミング州にある山の前に立っています。
もし僕が死んだら、残っている人に何を残していけるだろうか?
みんなの心に僕はどのような痕跡を残すのだろうか?
みなさん、わたくし思うところあり、「シャングリラからの伝言」としてのブログは本日をもちまして終了いたします。
ホームページタイトルは変えるとややこしいのでそのままですが、次回からは伝言ではなく僕がメッセージを創造していきます。
詳しくはそのときに。
これからもよろしくね。
2012.6.8