それはこういうお話です。

アフリカのある村でマラリアが猛威を振るったことがありました。

まさに村自体が全滅しそうな勢いです。ところがある特定の人だけはマラリアに絶対にかからないことがわかりました。

医者や科学者が調べたところ次のようなことがわかったのです。

マラリアにかからない人の血液を調べてみると、赤血球が鎌状をしていました。

これは医学的には鎌状赤血球貧血で知られるちょっとした血液の奇形というか遺伝的な疾患です。

そして今度は鎌状赤血球の遺伝子を持っている人の家族をよく調べてみたところ次の3つのグループに分かれる事がわかりました。

ひとつは鎌状赤血球の遺伝子を持っていて、かつそれゆえの貧血など実際に障害を持っている人たち。これが全体の1/4。

二つ目は鎌状赤血球の遺伝子を持っているものの障害が無い人たちが2/4。

三つ目は鎌状赤血球の遺伝子を持っていなくて障害も無い人たち、いわゆる健常者が1/4。

この健常者の人たちは残念ながらマラリアにかかって亡くなっています。

 

この村を全滅から救ったのはいったい誰でしょう?

 

少し遺伝学的な話で難しいのですが、実は最初のグループすなわち鎌状赤血球の遺伝子を持ち、かつ障害を持っている人たちなのです。

この1/4の人たちがいなければ、残りの2/4の障害のない人たちも生まれてこれなかったのですね。

つまり障害を持つ人を排除していけば、決して障害のない人たちは生まれてこない、もっと言うと障害を持つ人のおかげでその子孫たちが無事生きていられるんだということです。

 

入江富美子.jpg

この話にインスピレーションを得て、大阪のホント普通のオバちゃんが映画を作りました。

入江富美子さんという方が何かに突き動かされるようにして作ったその映画は、静かに感動の波紋を広げていってます。

そして今、日本だけにとどまらず自主上映の輪は世界にも広がっています。

公式HPはコチラ

僕は今のところ日程が合わず見てないんですが、近いうちに必ず日本のどこかに見に行くつもりです。

常々思うことですが、障害者が幸せに暮らせない社会は全くもって未熟だと言わざるを得ません。

障害者の人ってね、健常者にはできない本来人間が持っている驚くべき能力を発揮する人が少なくないのです。

その意識は本当に崇高なのであります。

2010.10.24