かぞくきねんび ~藍の卒業式~

強い意思、希望、勇気、決断、行動力、創意工夫、試行錯誤、自己責任、そして愛。

 

昨日、家族で福井まで藍を迎えに行ってきました。

もうそこは卒業だそうです。

奇しくも本日は彼女が通っている(ことになっている)中学校の卒業式でもあります。

 

最初はものすごく遠く感じた福井インターも3時間のドライブ、それも安全運転で着き、ずいぶん近いんだなぁと思いました。

でもインター降りてから道間違えた(笑)

これがお世話になっていた萌叡塾のいま。

道は除雪されていますが、まだこの位の雪は残っています。

萌叡塾卒業 002

こちらとしてはよく3年間面倒みてくださいました、本当にありがとうございました。

・・・・なんですが、

皆さんが口をそろえておっしゃるのには、「こっちこそ藍ちゃんには本当に良い体験をさせてもらいました」

それが冒頭に書いてある、この3年間に藍が僕たちも含めて周囲の大人に見せたものだったのです。

 

↓ 藍が暮らした部屋(荷物は全部運び出したあと)

まるで大正か昭和初期の書生さんの部屋のよう

萌叡塾卒業

萌叡塾卒業

何かそれらしい挨拶と話をせんとあかんよなぁ、と思っていたところリーダーの谷崎さんと食堂で自然に話がはずみました。

ちなみにこの日の食事当番は藍だったので昼食は彼女がすべてこしらえました。

ここでは全部無農薬栽培をしていますが、周囲の農家の現状は笑ってられないほどだそうで、相も変わらずJAが農家の前に勝手に農薬を置いて行っちゃう。

だからタヌキやモグラなどの動物たちはここの作物ばかりを食べに来るのかもしれません。

 

暴力などとは別に、親や先生が知らず知らずのうちに子供たちを虐待していることに気づいていないことの何と多いことか。

一番ひどい虐待は実は無視することではないかと考えます。

子供たちに自分は価値がないと思わせてしまうのです。

親の期待や学校の成績などの達して欲しい規定線があって、そこに到達しなければ能力不足だと認定してしまう。

こうやって子供たちは不登校になり、引きこもりになり、あげくに自らの命を絶ってしまう。

 

日本にそんな時代があったなんて今となっては信じられない気もしますが、かつての大学紛争時代、谷崎さんは同級生や教授たちに向かって「人は何のために学ぶのか?」 、とことん追求して聞きまくったそうです。

でも、誰も答えられない。

教授ですら、、、です。

 

親に頼まれて今までに何人かの問題児(とされる子供)を預かってきた経験があり、藍のこともいったいどうなるだろうと誰もが思っていたそうです。

しかしながら、何をしたらよいか積極的に聞いてくる。

そして次々に自分のアイデアを出してくる。

そもそもこの時代に12歳の子供が洗濯板で普通に靴下を洗ってる。

そりゃビックリもします。

そんな藍と3年間一緒に暮らして、谷崎さんは自分の教育に対する考えが間違っていなかったと確信できたのだそうです。

萌叡塾に出入りする他の人たちにもよく可愛がってもらったようで、先月には福井市内のフレンチで送別会も開いてもらい、裁縫箱や畑道具他いろんなものも頂きました。

 

子供は自由であることを大人に教えにやってきます。

そのために必要なものは想像力と創造力です。

子供は元々それらを持っているのに、僕たち大人が奪い取ってしまうのです。

 

藍は次のステージへと進んでいきます。

とりあえずは近くの貸農園を借りて、ふうさんと二人で野菜を育てます。

畑の目途が立てば、定時制高校とかアルバイトとかを考えるようです。

きょうび、中卒で就職探すて・・・・(笑)

僕と嫁はそれをサポートするだけ。

放っておけば勝手にグングン進んでいきます。

何かあったら一緒に責任取ります。

正直言ってこの人にはかないません。

スゴイと僕も思います。

 

お世話になった萌叡塾の人たち。

藍とふうさんが似てきているのであれですが、真ん中でピースしてるのが藍、隣がふうさん。

うしろのちょっと光ってる人が僕(え?わかるって?)

萌叡塾卒業

春の訪れとともに、冬の間休んでいた カフェ ”手の花” がオープンします。

土・日・祝限定です。

行けるもんなら行ってみてください。

普通、途中の山道でへこたれます。

この先にカフェなんて存在し得ないと思っちゃいます。

そんな場所にあります。

でもカフェの中は昭和というよりは大正って感じで、時間が止まってます。

 

なお、萌叡塾は教育施設でもなんでもなく、メンバーが自給自足の生活を普通に送っているコミュニティ、というよりはひとつの家庭です。

ですので、いきなり行って見学とかはあり得ませんし、大変失礼なことなのでご遠慮ください。

カフェでお茶を飲めば話もしてくださいますし、手が空いていたら谷崎さんに案内もしてもらえる”かも”しれません。

 

雪解け水とともに、新しい血が流れるような気がする3月の今日という日。

久しぶりにふうさんの心からの笑顔を見た気がします。

やっぱり藍がいなくて寂しかったんですねぇ。

西塔家もまた新たなステージへ進化するかな・・・・。

2013.3.15

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「かぞくきねんび ~藍の卒業式~」2件コメント

  1. 根本恵子 より:

    藍さん、ご卒業おめでとうございます。
    生きる力にみなぎっているお嬢さんですね。
    先生と奥様もしっかりと受け止めて見守っていて、素晴らしいと思いました。
    理想的なオータニティヴスクールで、教育を受けることほどの貴重な体験はありませんよね?
    その環境を信頼して与えるご両親も偉いし、萌叡塾に出会えた事は、ものすごく幸運ですよね。こういう学校が増えていくといいですよね?

  2. さや より:

    はじめまして!お嬢さんのご卒業おめでとうございます。
    「子育てと教育」というこちらの記事を読んで、大変嬉しくなりコメントしています。
    私もほぼ同じ考えだったもので~
    小学校3年生の息子をホームスクールしていますが、すでに持っている(はずの)ものを手放さないように。。と思っています。
    私の中では 日々の子供の様子を見ていて、学校に行かなくても全く問題なし!という確信があるのですが、たま~に外的な一般論に、しおれそうになる時もあります。
    でも「子育てと教育」そして このエントリーを読んで勇気づけられました。ありがとうございます!

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