昨日の夜、テレビの番組表を見ていたら「あっ!中村さん出はる!」
NHKの「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演されました。
元々は大阪のミナミの島の内と呼ばれる所にお店を構えておられました。
非常に繁盛していて、大阪の料理人たちが通う居酒屋として有名でした。
僕も実際に辻調理師学校の日本料理の畑先生と一緒になった事があります。
テレビではえらいエエ風に映っていましたが、必要以上に客に愛想しない、ただ「美味しいもんを食べてもらいたい」という思いでやってらっしゃいました。
例のJR福知山線の脱線事故で最愛の奥様を亡くされ、しばらくは被害者の会の代表の一人としてJRに話し合いに行ったり、まだ中学生だった一人息子の世話をしたり、とにかく大変そうだったのを覚えています。
一度、店を閉められたのですが、数々の人の再開を望む声、お店で働くお弟子さんの「例え給料が下がっても良いから、もいっぺん大将の下で働きたい」との声、それらに後押しされてもういちど店をオープンされます。
しばらくして店は玉造の方に移転し、移転してからは僕はとんと御無沙汰してました。
だって、人気で予約取れないんですもの。
昨日のテレビで見る限り、店のキャパはほとんど前と変わらない、少しカウンターが広くなったかな程度で、大将の人柄というか、自分の目の届く範囲の大きさの店しかやらないという信念が見て取れます。
今では恒例となった高津神社のとんど祭で大阪の人気の飲食店に屋台を出してもらう、その立ち上げにも関わってらして、昨日のテレビを見ながら、「やっぱり人との縁、つながりを大切にしてはってんなぁ・・・・」と感じ入った次第。
このとんど祭、楽しいのは楽しいのですが、今では有名になり過ぎて超長い行列が出来て僕的にはパスです。
奈良の元興寺で行われる”夢まつり”は完ぺきにこれのパクリです。
こっちの方は色んな意味で無理があると思うんだけど・・・・・
大将の中村重男さん曰く、「400円の料理も1500円の料理もどっちも手ぇかけな嘘でしょ。安い料理やから手ぇ抜いてて、そんなんあらへん」
ここは魚も野菜の料理も美味しい。
以前はメニューの黒板に”和歌山 加太 天然鯛 美味しい” とか ”淡路 穴子 美味!” とか書いてあって、結局全部美味いんやないかいって突っ込み入れたくなったものです。
大阪の地野菜も使うけれど、美味しい野菜を求めて日本各地の農家にも出向き、直接取引されています。
テレビでも言ってましたが、ここはお酒と料理の相性のことをものすごく考えておられます。
こういう店って、案外ないのですよ。
どこどこの地酒あります、てのはその蔵と取引のある酒屋さえ知ってれば誰だってできるのよ。
そのお酒が最高に活きる状態で提供する、そのお酒が最高に活きる肴を提供する、その肴が最高に活きるお酒をみつける。
これでしょ、プロフェッショナルちゅうのは。
僕が言うのもおかしいけれど、中村さんは色んな経験を通して人間がずいぶん大きくなったように感じました。
それと、中村さんの下でナンバー2の立板(揚げ場、焼き場)の人の元気そうな姿が見れたのも嬉しかった。
この人の仕事はピカイチです。
頑張ってるなぁ、、、、中村さん。
俺も頑張らんとあかんな、と久しぶりに思える番組でした。
ああ、ながほり 行きたなってきた。
早めに予約しとこっと。
2013.6.11
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