無償の愛~もうひとつの天使の迎え方~
この話は4年ほど前に東北の地方紙でも紹介されたもので、僕はその詳細をケビンから聞きました。
今日ご紹介するMさんはjoyヒーリングにずっと通っていた人で、すごくおとなしく、でもとても優しい本当に感じのいい女性でした。(僕は面識はないのですが、ケビンこと中西研二氏がそのようにおっしゃっています)
ある日彼女はケビンに、結婚したいんだけど相手がいなくて、と相談をもちかけました。
ケビンは「大丈夫だよ。あなたならきっと素敵な男性が現れるよ。あなたみたいな人をほっとくなんて世の男性は見る目がないね」と言ったとか。
すると、それから間もなくして本当にいい人が現れて結婚されたのです。
Mさんはとっても子供が欲しかったのですが、なかなかできませんでした。
婦人科で調べてもらうと、どうやら妊娠しづらい身体であることがわかりました。
不妊治療を受ける選択肢もありましたが、なんとなくこのまま夫婦だけの生活でもいいかなと思いかけてたある日、たまたまケビンのお話会があり、その際に相談したところ次のように言われました。
「Mちゃん、あなたが本当に望んでいるのは子供を産むこと?それとも子供を育てること?どっち?」
そう言われて、よくよく考えてみると、どうやら自分が望んでいたのは子供を育てるという経験だったことがわかりました。
その旨をケビンに伝えると、「じゃあね、Mちゃん。日本には里親制度というのがあって、そういう形でも子育ては出来るんだよ」とアドバイスされたのです。
家に帰ってご主人とよく話し合った結果、Mさん夫妻は里親になる決心をしました。
周りは当然猛反対。
「Mちゃん、里親になるということはそんなに甘いもんじゃないよ。あなたも苦しむだろうし、相手の子供にも迷惑かけることになるんだよ」
でもMさんの決意は固かったのです。
里親になるためには厳しい審査があります。
3回にわたる面接等を通して、本当に里親になる覚悟ができているか、そしてふさわしいかどうかが厳密に審査されます。
無事審査に合格したMさんのもとにある日、協会から連絡があり行ってみると、職員に抱かれた2歳の男の子がいました。
ついにMさんが母親になる時がやってきたのです。
さあ、それからが大変でした。
mちゃんというその子はとにかくず~っと泣いてるんです。
そしてMさんにしがみついて離れようとしません。
「いや、いや、いや、いや」ばかり言っていたそうです。
それも昼夜関係なく。
わかっていた事とはいえ、とにかく自分から離れないわけですから用事もろくにできません。
トイレにも一緒に連れていかないといけない状態です。
さすがに参ったMさんはある日、息子のmちゃんを連れてケビンのヒーリング会場にやってきました。
会場に着いてもmちゃんは「いやぁ、いやぁ」と言ってMさんの足にしがみついて離れません。
ケビンがあやそうとしても全然受けつけないのです。
ケビンという人は、子供が泣くような顔や雰囲気ではないんですよ。
会場の誰があやそうとしても全くだめでした。
その「いやぁ、いやぁ」という声は今もケビンの耳にこびりついて離れないといいます。
ケビンはMさんに言いました。
「Mちゃん、大変だろうけど今はあなたが頑張るしかないよ」
「はい、わかってます。でもねケビン、わたしもうくたくたで、限界なんです。どうかわたしにエネルギーを分けてください」と言って泣いたそうです。
それから毎月、Mさんはケビンのヒーリングを受けに会場にmちゃんを連れて通いました。
その間、mちゃんは相変わらずMさんから片時も離れず、ずっと「いや、いや」と泣いていました。
そうやって4カ月が経過した頃、会場に着いたmちゃんはケビンの顔を見て照れくさそうにニコッと笑ったのです。
「よしっ!」と思ったケビンが抱こうとすると、やはり「いや、いや」でした。
でも初めてmちゃんは笑ったのです。
それから2ヶ月後のヒーリング会場でのこと、なんと、あのmちゃんが会場中をキャッキャ叫びながら走り回っているではありませんか!
そこらじゅうの大人と遊んでいるんです。
その会場にお母さんがいることがわかっていれば大丈夫なようで、ケビンにも思いっきり抱きしめられて喜んでいました。
会場の人たちは皆今までの経緯を知っていますから、もう全員泣きまくっています。
「Mちゃん、もう大丈夫だ。よくここまで頑張ったね。本当にえらかったね。実の子でもなかなかここまでできないよ」
「ケビン、ありがとうございます。主人とも話していたんですが、今、やっとこの子が来てくれてありがとうという気持ちになりました。いろいろご心配おかけしました」
実はこのmちゃん、本当の父親が誰だかわかりません。
実の母親が複数の男性と付き合っていたために確認できなかったのです。
そして・・・・
その母親はmちゃんが産まれてひと月たったある日、自殺しました。
mちゃんは死んだ母親の横でずっと泣いていたのです。
だから彼にとってやっと現れた自分のお父さんとお母さんには、もう二度と目の前から消えて欲しくなかったのですね。
でもMさんは、あふれる愛でmちゃんを包んであげました。
そしてやっと本当の親子になれたのです。
賢明な皆さんはおわかりだと思いますが、どうしてMさんが妊娠しづらい身体だったか?
それはね、この得難い素敵な体験をするためにMさんの魂が不妊という選択をしたのです。
頑張り通したMさんに心からの拍手を送りたいと思います。
そして、この親子に神の祝福あれと願います。
あえて細かい場所は伏せていますが、まともに津波の影響を受けた所にお住まいだったはずなのです。
Mさん親子は今回の震災で無事だったのだろうか?
2011.12.2