未来が読めない大人たち
本日は午後を休診にして、衛生士の村上さんと阪大に講演を聞きに行きます。
阪大歯学部の同窓会学術は3つに分かれていまして、僕の属している学術講演会の他に本日行われる臨床談話会、そして実習がメインの研修会です。
一昨日の歯科医師会での最初の方の会議は、昨年行われた歯科保健フェスティバルの反省会と今年以降どうするのかというのが議題でした。
昨日曜日の歯学部同窓会学術委員会の新年会でも感じたのですが、年寄り連中(僕より年上ということ)はホンマ古くて固い頭の奴らばっかり集まりやがって、ええ加減にしてくれって。
僕が新年会で話したのはこれからの学術の展望です。
それも阪大歯学部だけではなく、全国レベルでの学術の統合についてです。
歯科医師会あるいは日本歯科医学会がイニシアチブをとって、何時でも誰でも知りたい情報や講演がオンデマンドで手に入れられるようなシステム作りをする。
各地方の大学や歯科医師会は、ハンズオン(実習)に特化していく。
これやるとね、誰が困るかと言うと講演に呼ばれる著名な先生方でして、確かに休診の日に全国駆け巡って講演をするのは大変なのですが、それに見合った(決してバカにならない)講演料が手に入っているという現状があります。
こういう話は聞く耳を持たれません。
また西塔が変わったことを言うとるわ、てな感じで受け止められます。
奈良県歯科医師会主催の歯科保健フェスティバルで言うならば、大きな目的は一般の方の歯科に対する啓蒙なわけです。
歯科に関心のある人は自分で情報を探すでしょう。
今は情報を得るためにどこかに出かけるなどという時代ではありません。
ネットがありますから。
であれば興味を持っている人向けには、インターネットを使った情報提供をしていけばよい。
インプラントについて知りたいと思えば、現在であればどこかの歯医者のホームページをいくつか見てみるというふうでしょう。
当然、自院でやっているインプラント治療の優位性を強調していますから、そこで得られるのはあまりフェアな情報とは言えません。
これを歯科医師会なり学会なりの、より大きな組織の情報提供型ホームページを皆さんが最初に調べるようになればよいと僕は考えます。
そうすれば多くの歯科医院のホームページは立ち行かなくなるかもね。
うちなんか最初っから、そういったことに対する基本的な情報は他の医院のホームページを見てくださいって書いてますから(笑)
歯科医院のホームページというのはもちろん患者さんが自分の求めている治療を受けられる所を探すという意味合いもありますが、いくらその治療を提供している医院にいったところで治療が成功しなければ何にもなりません。
そのためには歯科医との信頼関係が非常に大切なのはこれまでも述べてきたとおりです。
受診前にある程度のそれがあれば結果に大きく影響する、それにホームページは非常に役立つのだというのが僕の基本的な考えです。
歯科に関心のない人も多く集まるAEONのような集合施設でフェスティバルをしたからといって、そういう人が急に関心を持ちだすかというと、そんなこと考えづらいです。
それであるならば、予算の許す範囲で全国紙に歯周病と糖尿病との関係とか、女性の喫煙と胎児との関係とか、嫌でも興味を引くような記事を載せれば良い。
それを取っ掛りとしてホームページに誘導するようにすれば、少なくとも今よりゃマシでしょう。
医師会は製薬会社と手を組んでいるとはいえ、そのようにやっています。
考えてみると、僕は昔から時々時代がこの先どう動いていくかが見えることがありました。
ウォークマンが世に出る2年くらい前には、僕は通学途中カバンに小型のカセットレコーダーを入れ、イアホンで音楽を聞いたり落語を聞いたりしていたものです。
時代の半歩先を行く人は偉人と認められますが、1,2歩先を行くと変人として見られます。
僕の意見の通りにする必要は全くないけれど、聞く耳持たんというのはどうなんでしょうね。
自分とは違う視点、より新しい視点、そういったものに心を開けないような人は、いくら昔それと鳴らした人であっても、組織の上で役員や理事とかやるのは止めてくれへん? と思うのです。
未来は僕たちが創るものですが、今回のアセンションのようにそれとは別に時代の潮流というものもあるのに。
何か新しいこと、今までとは全く異なったスタイル、そんなことするの面倒くさいやん!あるいはうまくいかなかったら誰がどうやって責任取るの?
聞こえてくるのはそんな戯言ばかりです。
あ~あ、大人ってつまらん。
2012.2.18