土日の講演会は非常に興味深いものでした。

日曜日は会場が満杯になるくらい(おそらく300人くらい)の盛況ぶり。

僕は午前中障害者の検診だったので昼休みの弁当くらいからの参加。

真ん中の一番前の席くらいしか空いていなかったのでそこに座ると、横にいたのが久しぶりに会う旧知の技工士さん。

弁当を食べ終わって彼(といってもずいぶん年上ですけど)が聞いてきました。

「歯科はどうですか?」

これは歯科の現状と未来はどうか?という意味です。

 

僕の答えはこうです。

この講演会に出席していてもわかるように、今は皆が最新の情報や欲しい有益な情報が簡単に手に入る。

そしてトレーニングにより、ドクター間の技術の格差も昔ほどではなくなってきた。

もちろん多少の違いはありますが、知識も技術も歯科医院の中で違いがなくなりつつあるということです。

あとは医院の治療方針とホスピタリティ、そして設備の差になるでしょうが、これとてほとんどが同じ方向を向きつつあります。

治療も大切ですがそれ以上に予防を重視するようになっている。

そして定期的な管理。

今はどこの医院も患者さんのためを思って仕事をしていますので、ホスピタリティが問題になることも少ないはず。

設備に関しては医院の経営状況により差があるのが現状ですが、需要が増えれば値段が下がるのが通常ですから、そのうちCTもレーザーもマイクロスコープ(実体顕微鏡)もどこの医院も設置するようになるでしょう。

これは歯科の新三種の神器と言われています。

さあ、そうなってくるとあと5~10年もすれば、各歯科医院は何も差がなくなってくる、じゃあどうやって自院の特性を出していこうか?となるわけです。

差別化したくてもする材料がなくなるわけね。

この話は後に続く。

 

講演会のメインスピーカーは僕が昨年にも義歯のセミナーを受講した松本勝利先生。

どうやら同い年のようです。

いつものことながら、少しでも多くの有益な情報を受講者に聞いてもらおうという姿勢が何とも素晴らしい。

講演の中で先生は”バイオレゾナンス”について触れられました。

バイオは生体、レゾナンスは共鳴・共振という意味。

この世界の万物すべては波動で出来ていますから、その概念を生体にも持ち込もうということです。

これについては以前よりマナー博士のCymatics Therapy (サイマティックス・セラピー)として知られています。

振動療法とか波動療法とかとでも言うのでしょうか。

身体の各臓器はその臓器に特有の周波数で振動しています。

もちろんそれはその臓器を構成している個々の細胞の振動の総和です。

ある臓器に変調が起きると、その固有の振動数が変化するので、それに対して本来の振動を与えてやれば、その臓器は正常な方に回復していくというコンセプトです。

そのための器械が開発されており、いやしの村で行われているMK-5などはそれを応用したものです。

バイオ・レゾナンスは、そのような概念に立脚しながらも身体をエネルギー体としてとらえ、エネルギー(気)の流れなども考慮に入れた西洋医学と東洋医学を統合したものを目指しているようです。

 

日曜日の午後イチの講演は心療内科医の話でした。

僕から見れば講演内容は随分とレベルが低いのですが、それでも医科の世界においても科学では立証されないもの、目には見えないもの、そういったものの存在を認めるようになっている人たちも増えてきているようです。

こころを扱う医師なら当然そうなるでしょう。

医科、歯科問わず、西洋医学に偏ったあり方に疑問を抱き、より自然な、身体に優しい診断や治療を行う先生が徐々に増えつつあります。

歯科でいうなら自然歯科とでも言うんでしょうか。

疾患を診るのではなく、それを抱えた人を診るという感じ。

 

一般的な西洋医学における最新機器による診断のほかに、波動測定やO-ringなどのキネジオロジー(筋肉反射)を利用してその人に合う材料や薬を調べたり。

病気になるということは基本的に生活習慣の中に何か誤りがあるわけですから、その指導をしたりします。

身体なんて全部つながっているので、例えば歯周病なら歯ぐきだけの問題というわけではないのです。

先日読んだ歯科医のブログでは歯周病の場合、腎臓や泌尿器系が弱っているという指摘がなされていました。

そう言われてみれば、確かにそうだと思わせる経験をしたことがあります。

 

このように歯科といえど身体全体で診ていかなければならない、逆に医科でも歯科領域のことも理解しておかなければならない。

今は漢方に長じた歯科医も多くいますし、ホメオパシーを学びレメディを処方する歯科医だっています。

そして噛み合わせを治して身体の不調どころか癌まで改善する歯科医もいます。

他の理解ある医師や整体師と連携を取ってるところもあります。

ツラツラ書き並べて何が言いたいかというと、どうやら医療の世界はある方向に向かっているのではないだろうかということです。

いわゆる統合医療ですね。

 

といっても、発想の元が西洋医学一辺倒に対する疑問や否定から始まっていますから、どうしたって東洋的な方に傾きがちになります。

例えば僕がそのような自然歯科をやったとして、当院に様々な不定愁訴を抱えた患者さんや癌患者さんがすがる様に来られたら、正直言ってやってられません。

こちらがおかしくなってしまいます。

僕はあくまでも普通の歯科医でありながら、相手の中に完璧性を見るというスタンスが性にあっています。

つまり医師により技術的な得手不得手の他に、その医師の志向というのも厳として存在するということです。

であるならば、統合医療とは特定の方面に造詣が深い複数の医師・歯科医師・その他医療関係者のグループで成り立つものでしょう。

 

従来より歯科の世界ではインターディシプリナリー(Interdisciplinary)という言葉があり、歯周病や義歯や被せ物、矯正など各分野の専門家が連携を取り合って一人の患者さんの治療にあたるということで、それを実践している先生も多いです。

この際に最も重要なのは、共通の認識を持つということ。

土台が同じでなければ話になりません。

サイキックヒーリングは少し行き過ぎでしょうが、例えば心と身体についても否定的な医師も多いわけです。

これからは西洋医学・東洋医学・民間療法などに関わらず、あらゆることをフェアな目でひとつひとつ洗い直し整理していく必要があるでしょう。

その上で、医療関係者すべてが共通の認識を持ち、チームを組んで予防や治療にあたる。

もう、うちはこういうやり方なのでその方法はしていません、なんてこと言ってる時代じゃないです。

もっと広く深くをチームワークで実施していく時なのです。

 

その際に、どうしたって人間がやることですから各チーム間に独特の個性の差が出るでしょう。

患者は自分に合うと思われるところに行けばよいのです。

ただし受ける診断や治療はどこでもほぼ均一。

このように変化していくと思います。

今、自然歯科を標榜している先生は多少の連携はあるものの、ほとんど自分一人でなしていることが多いでしょう。

これがもっともっと拡大していくと考えるのです。

 

この話は非常に難産でした。

書き終わるのに3日かかったもんなぁ。

そしてこれはさらに深い話へと続くのでありました。