かえるとほたる ~夏がやって来る~
先週の土、日は阪大歯学部33回生の2年に一度の同窓会でした。
幹事は松本歯科大にいる友人です。
関西組はバスをチャーターして朝から宴会しながらの長野入りですが、僕はどうしても”ワイドビューしなの”というのに乗ってみたかったので一人京都駅から名古屋へ行き松本へと向かいます。
僕、ずっと勘違いしていたんですが、これって新幹線じゃなくて普通の特急なのね。
京都駅のみどりの窓口のお姉さんは、名古屋までののぞみ号をを1-Aというまた極端な席をとってくれました。
BとCには若い夫婦が赤ちゃん抱いて座ってます。
DとEは名古屋まで空いてました。
。。。。。。。
16時に塩尻駅集合なのですが、塩尻駅周辺は何もないということで、お昼前に松本まで行って蕎麦食って酒飲もうという魂胆です。
JR特急ワイドビューしなの5号に乗りこむと、そこは山ガールならぬ山ウーマンの世界。
これが、かしましいんだ。
またしても右端の窓側の席。
ほいでね、名古屋から松本に向かうということは北向いてるわけですから、その右端ということはもろ東向いてるわけです。
朝日が眩しいのよ。
すぐにカーテン閉めて、なんのためにこの列車乗ったんかわからんようになりました。
前もって滅多に見ない食べログで調べておいた松本城近くにある蕎麦屋さん。
蕎麦倶楽部佐々木というお店です。
11時過ぎに松本駅に着き、歩いてお店を目指します。
お城目指して真っ直ぐいくと、千歳橋を渡った所にある縄手通り商店街でなにかイベントをやっている様子。
お店は11時半開店で、きっと人気のお店だろうと思うからイベントには立ち寄らず、迷わずにお店の前へ。
大将が出て来られて「もうすぐ開店なので中で待っといてください」
カウンターにはすでに常連のお客さんが一人。
それからぽつりぽつりとお客さんが来られます。
ここは土曜日のお昼は比較的ゆっくりだそう。
まあ、それから地ビールから始まりお酒・・・飲みました。
酒肴・・・食べました。
蕎麦・・・食べました。
さっきの常連さんね、結局酒のアテと酒だけで蕎麦食わずに店出ちゃいました。
僕も時々そういうことすることがありますが、あくまでも夜に限りです。
昼飯の時間に蕎麦屋入って蕎麦食わないっていうのは中々に男前でんなぁ。
日本酒3合飲んだまでは覚えています。
で、ほぼ待ち合わせの時間になり相手の女性から電話がかかってきたのでお会計。
ん?
その女性は誰かと申しますと、2月にやった”シャングリラミーティング”に参加してくださった松本在住の方です。
せっかく長野まで行くし、会ってお茶でもしましょか、という話だったのよん。
え~大変にフワフワした状態で、珈琲飲んでお話をして塩尻駅まで車で送ってもらいました。
ほとんど脊髄反射で喋ってる状態です。
パブロフのカッパです。
こういう時ってきっと、川に映ってる自分を見て吠えたら咥えてた骨落としちゃった、みたいになるんでしょうね。
ところで、先ほど縄手通り商店街でイベントやってると言いましたが、お蕎麦屋さんでパンフレットもらって見てみたら、それがなんと”かえる祭”だって。
僕は普段”かえる庵”さんにしょっちゅう行くし、ワンネスビルの一階の整骨院さんのシンボルマークがかえるなんです。
当家にはカエル関係のもの一切ないのに実に不思議。
かえる祭は6月23,24日の両日で行われ、うちの同窓会と同じ日程。
その時に集合場所の塩尻に行かず、1人で松本行ってんですよ僕。
う~~~ん。
すっかり出来上がっている関西組と、さっぱりダメ男になっている僕と塩尻駅で合流しホテルへ。
しばらくして宴会が始まりましたが、あんましよう覚えてません。
陶板焼きがあったのだけ、おぼろげに記憶にあります。
実に不思議なことに6時から始まって8時ピッタシに皆は宴会を終え、ホテルのバスで辰野のホタルの名所へ行きました。
非常に広い敷地にメチャクチャたくさん人がいてます。
辰野ほたる祭の真っ最中なんですね、これが。
ゆっくり園内を歩いて行くのですが、今考えるとよくあの状態で人混みの中、おまけに真っ暗なのに迷子にならずにバスまで戻ってこれたもんだ。
それから二次会です。
僕の部屋が一番広く6人部屋なんですが、当然それが二次会部屋になります。
風呂に行こうと思ったら、他の部屋から来たやつが勝手にタオルとか入った風呂セットを持っていってたおかげで、僕は「ええい、他の部屋まで探しに行くのメンドクサイわ」と手ぶらで風呂に入りました。
これがいけません。
そりゃそうです。
身体拭けませんもん。
夜の露天風呂に行きました。
すると、露天の岩場にタオルが置いてあるではありませんか。
「あ、どっかのアホが忘れとるわ」
声に出さなくてもいいことを声に出して言って、タオルの方に手を伸ばしたら、誰もいないと思っていた露天風呂の人影から「それ、わたしのですよ!」と強く非難めいた声で叫ばれました。
「あ、すみません。忘れものかと思ったもので。僕、タオル持たずに入って来たんです」
「タオル持たずにですか・・・・・」
アホやと思われたことでしょう。
おまけに、取ろうとしたタオルの下にその人の部屋の鍵が隠してあったんだから、そりゃダメダメです。
仕方がないので自然乾燥しようと、近くの縁台で寝転がっていました。
後から聞いたら、その姿を内風呂から見た招待していた当クラスの担任教授は「あれ、西塔やったんか。俺はどっかの爺ィが干からびてるんかと思たわ」って・・・・・↓
あんた歯医者のくせに、干からびたジジイ放っとくんかっちゅう話やんかいさ。
ちなみにね、ここの露天風呂ね、内風呂の中を通って外に出て行くようになってるのね。
だから中に戻る時、膝から下がまた濡れちゃったのよ。
アホじゃ。
二次会ではあちこちで話に花が咲きます。
みなさんアツく語ってます。
幹事が地元のワインをたくさん用意してくれています。
僕、よく覚えていません。
次の日の朝、なんでか知らんけど目が覚めたら隣で寝ているヤツに「西塔、朝風呂気持ちええぞ」と言われ、「この人、朝風呂入ってまた寝てんねや」と思いながら今度は部屋に干してある誰のかわからんタオルをパクリ、今度はきちんと身体洗おうと行きました。
そして露天風呂。
宿泊した辰野パークホテルは日本ため池100選に選ばれている池が前にあり、その周りが遊歩道になっています。
天気は晴れ。
青い空に白い雲、目の前に池の周りを散歩している人がちらほら。
澄んだ空気を吸いながら「やっぱり信州はええわぁ・・・・」
ずっとそのままでいたい気分でした。
朝飯食って10時に出発。
今度は関西組と一緒のバスで京都まで連れて帰ってもらいます。
でも、僕えらい二日酔いです。
そのバスは後部がサロン形式になっていて、そこが宴会場所になるわけですが、「さ、始めよか」と皆さん朝から元気にビール飲んでます。
僕一人死んでます。
唯一、途中立ち寄った松本歯科大前にあるJAの産直ショップだけは、起きて(起きてて、笑)お土産買いまくりました。
レタスにアスパラに紫蘇、ぶどうジュースにさくらんぼ、普通の大豆に青大豆、ひたし豆に寒天!
皆さん知ってました?
信州って寒天が名産なんですよ。
もちろんテングサは取れませんが、それを乾燥さすには信州の空気がベストなんだそうです。
両手にスーパー帰りのオバサンみたく袋抱えて、おまけに寒天は入ってる袋そのまま持って、バスに帰ったら皆に笑われました。
あとは相変わらずバスでシャバアサナ(死体のポーズ、笑)
途中立ち寄った恵那峡サービスエリアでも、皆が昼飯食うのを羨ましそうに眺めているだけ。
奈良まで戻ってきてようやく迎え酒ができる状態に。
さて、今回の旅行での気づき。
それは最初に行ったお蕎麦屋さんまで遡ります。
御主人も奥さまもとても良い人なんですが、僕が感心したのは厨房で手伝っておられる少し年配の女性。
時々テーブルまでお蕎麦を運んだりはされるんですが、基本的に厨房内にいてそこからお店全体に目を配っておられる。
このときハタと思ったのね。
非常に優しい慈愛に満ちた目線が、クラシックの流れる静かな蕎麦屋さんの空気の中を滑るように漂います。
「あ、仕事って”仕える事”って書くんやった」
「果たして俺は仕事の時に患者さんに仕えているやろか?」
ここで言う”仕える”とは、もちろん媚びるような意味ではありません。
隷属とも違います。
なかなかに、深い考えさせられる意味があります。
それと、もひとつ気づいたこと。
あまり酔っ払ってカウンターの隣の人に話しかけると鬱陶しがられる(今さらかいっ!)
どうして僕って、旅をするとかくの如く”顛末記”みたいになっちゃうの?
再来年は東京組が幹事で熱海でやることに相成りました。
嫁さん今から楽しみにしてます。(なんで?笑)
ちなみに朝食後に撮った集合写真、後づけしてある人は早朝から宿を出て鮎釣りに行ったとさ。
明日は朝から一日、ま~た歯科医師会館で学術委員としての仕事。
ホナ、サイナラ~。
2012.6.30