今日は午前中、奈良市歯科医師会の福祉委員として障害者の方の検診に行ってきました。

皆さん、障害者の人の口の中ってどんなだと思いますか?

実はね、すごくきれいなんですよ。

この奈良市障害者福祉施設は昭和59年からあるらしいのですが、障害者の治療は虫歯を放っておくと非常にやっかいなので、早期発見早期治療をやってきた結果、現在ではこのくらいの初期虫歯であれば様子を見ましょう、とまで言えるような状況になってきました。

もちろん我々の検診や治療努力も大きいとは思いますが、何よりもご両親の歯の健康に対する関心が高かったことがこのような結果を招いたと思います。

障害児を育てるだけで大変なのに、その子供たちの歯ブラシまでチェックするというのは本当に頭が下がる思いです。

だいたい歯科医師3人編成で4班に分かれて検診するのですが、今日ある女の子が私のいる検診班に来られました。

彼女は最初からすごく泣いていて口もきちんと開けられなかったのですが、記録係をしていた私は彼女の胸にビーズでかたどられたハートのマークを見逃しませんでした。

検診者の言うことを記録しながらそのビーズの数を数えたら17個あったのです。

その後、何とか検診を終えた女の子が立ち上がった時に私の目に入ってきたのは、ズボンのお尻のポケットに刺繍された二つのハートのマークでした。

「ああ、やっぱりそうなのだなあ。こういう人たちは僕たちに愛を運んできてくれているのだなあ」と思うと、さすがにウルウルしてしまいました。

よろしいですか、障害児の親というのは1日でもいいから子供より長生きしたいと願うのです。

そうでないとその障害児を世話する人がいなくなるから。

つまりね、自分より1日でも早く子供に死んでくれと言ってるようなもんです。

これ、親としてどれだけつらいかおわかりでしょうか?

中には二人のお子さんがともに障害児ということがあります。

これは親にとってはかなりの試練です。

父親は自分の能力を生かした仕事をしようと思っても、その会社までの通勤がむずかしいかもしれない

。母親もその子供たちにかかりっきりで、いったい自分の人生は何なんだろうと思うかもしれません。

すべてがその障害児達を中心にした生活にせざるを得ないわけです。

さて、父親や母親の個人的な目線から見れば色々と不満もあるし、また不満を抱いている自分に対する自己嫌悪もあるでしょう。

でも少しスタンスを変えてみて、家族全員で(もちろん両親だけでなくその障害児たちも含みます)あるひとつの体験をしているのだと考えてみてはいかがでしょう?

皆が真の愛とは何か?という体験を共有しているのです。

というか、それが本当の話なのですけど。

わかっちゃいるけど悔しいのなら叫びなさい。

「どうして私がこんな目に・・・」と

いろんなことで夫婦間で衝突するなら、思いっきり喧嘩しなさい。

そして口汚く相手を罵りなさい。

そして、そんな自分に落ち込むなら思いっきり泣けばいいのです。

すべてOK !!

でもね、忘れないで欲しいのです。

そんなあなたを、もちろん連れあいも子供たちも、みんなみんなずっと見守られていることを。

確かにそれは目には見えないかもしれません。

でもあなたが本当にどうしようもなくなった時、必ず横で支えていてくれるのです。

絶っ~~~~~~対に、大丈夫。

これは日本国債より確かな話であります。

2010.8.22