インド紀行 その2~覚醒のコースはじまる~
一昨日の”ふうさん”の話、嫁さんに確認すると少し細かいところが違ってたみたいで修正してあります、どうでもいいけど。
さて、まずはじめにお断りしておきますが、およそキャンパスの中は皆さんがインドと聞いて想像するようなものではなく、非常に清潔できれいでした。
キャンパスという名のごとく広大な敷地に、宿泊兼講義棟以外は全部平屋になっている建物が点在しているという感じです。
芝生と樹木もそれなりにあって、全体のイメージは白と緑と土色という感じです。
キャンパスは全部で3つあり、そのうちの一つ(GC2:Golden City 2と呼ばれる)で外国人向けのセミナーが開かれますが、VIPの人はまた違うキャンパスでセッションが行われます。
世界各地から超有名人、バチカンの僧侶やハリウッドスターなども来るわけですから、当然と言えば当然ですね。
しょっちゅう掃除係のインド人が掃いたり拭いたりしています。
また食事はケータリング会社が運んできて、給仕する人もビニールの手袋をしています。
これはその当時コースをアレンジしていたカルキセンタージャパンの人がきちんと、ケータリング会社の中まで視察し、日本人向けに味付けをマイルドにするように指示してくれていたのです。
食事棟にはエアコンはありませんが、講義室や宿泊室にはエアコンがあり逆に冷房が効きすぎて寒いくらいです。インドではエアコンがある時にはガンガンに冷やすみたいです。
そして僕たちが到着する数日前からイタリアから来た人たちの21日コースがすでに開始されていました。
コース開始1日目
2階の10号室がこれから3週間講義が行われる部屋だそうだ。
講義室といっても机や椅子があるわけではない。
床に皆がアウトドアショップで買い求めた携帯用のイスを置いてそれに座るのである。
まず入室前に頭頂部に聖水をふりかけてもらい、額に濃朱のペーストを塗られ(クムクムといい、通常インドでは女性がオシャレのためにする)チーフダーサジーとハグする。
開始に当たって、希望者が自己紹介を兼ねてどういう思いでこのコースに臨んだかを述べることになった。
数人の話を聞くと皆本当にギリギリの状態でここにやって来ていることがわかる。
一カ月近くも会社を休んで迷惑をかけるので、会社を辞めて参加している人。
逆に上司に事情を説明すると、「会社を辞めてから行ってくれ」と言われ、クビ同然で来ている人。
30年間悟りを求めてどうしようもなくなって、これが最後の機会と腹をくくって来ている人。
でもみんな、見た目は普通の男性で特別精神世界にドップリつかってるて感じには見えない。
やはり、人は一見平静に見えても内面には色々なものを抱えてるんだと実感する。
特に男はやせ我慢するんだろうな。
昼からはキャンパスを出て、ホーマ(日本で言う護摩のようなもの)をするそうだ。
すぐ近くでやるのだがそれでも全員バスで移動。
初めて明るいところでキャンパスの周辺の村を見ると、それはまるで竪穴式住居のような感じで、ゴールデンシティと呼ばれている所の周りがこのようなものとは意外である。
我々はすぐ近くで大金はたいて何不自由なく悟りのコースを受けているのに、この人たちは今日一日を生きるのが精一杯に見受けられる。
これでいいんだろうか?という疑問がわいてくる。
ホーマは藁ぶきの大きな小屋で行われるのだが、ここは学校として使われることもあるらしい。
メチャクチャ蒸し暑い上に、150人がぎゅうぎゅう詰めなので始まる前に倒れそう。
今日のホーマはコースの成功を祈るためのもので、ガネーシャや火の神により高次元の神への仲介をお願いするとのこと。
ホーマが始まるとその火のあまりの暑さに暑さを忘れるくらいである。
夜7時から宇宙意識と一体になっているというCosmic Being(コスミックビーイング)との瞑想がある。
本当に腑抜けのような介添えがなければ歩けない状態の人もいて、いくら宇宙意識と一体になれるといっても、僕はこんなふうにはなりたくない。
あの無表情な顔をして内側が至福の状態といわれても、納得しがたいものがある。
それでも彼らと一緒の瞑想はやはり聞きしに勝るすごい波動だ。
約30分間瞑想し、その後シャバアサナ(ヨガでいう死体のポーズ)になるが、思わず倒れ込むように横になった。
しかし、どうやらそろそろお腹の調子が良くないようだ。少し頭痛もする。
8時半からの夕食は控えめにしたが、とりあえず毎食カレーが出てくるのはつらい。
明日くらい食堂に醤油とふりかけを持ってこようか。
体調面に少なからず不安を抱く。
日本でなら何てことないのだが、ここでのこの体調は非常に心細い。大丈夫か、俺?
夜中に下痢で飛び起きた。
危なかった。間一髪である。
トイレの別の所では誰かが嘔吐をしているようだ。
明日からどうなるのだろう?
2010.11.3