インド紀行 その16~ディクシャのやり方~
昨日は大学で講演会のお手伝い。
吹田にある大阪大学は以前は工学部と薬学部、人間科学部しかなく、キャンパスもコンクリートジャングルのようで非常に殺風景だった。
今は歯学部も医学部もこちらに移転し、新しい研究棟もメタリックと大きくとったガラス面でモダンに仕上がっており、なかなかの風景になってきたようである。
大学の校章が銀杏であるがごとく、キャンパス内は紅葉が美しく、
タクシーを降りてコンベンションセンターまで、サクサクと落ち葉を踏みながら歩くのも楽しかったのである。
コース開始16日目
昨夜は「ナイロビの蜂」を読み終わってウトウトして気がついたら部屋の電気が消えて11時半だった。
一人、隣のベッドのOさんが携帯の明かりで何か書いていた。
この方はお寺の住職さんである。
朝はさすがにみんな起きるのが遅い。
7時起床。
イニシエーションの時、うちの班だけはすごく静かだったそうだ(僕もそう感じた)
僕が考えた体験の話
例えば予防接種であなたが先頭の時、あなたはそれを完全に体験します。
後ろの方だったら「どうだった?痛かった?」などと聞き、自分の番になってもそれを完全には体験していません。
みんなでいる時に先生に「Aさん、前に出てまずあなたがやって見せてください」と言われた時、あなたは上手くやろうとか余計なことは考えず、それを完全に体験します。
でも2番目の人は上手くやろう、恥をかかないようにしようとして、それを完全に体験できません。
最初の人はいわば諦めの境地、なるようになれという気持ちなのです。
それが体験です。
10時セッション開始
まず昨日のバガヴァンのダルシャンの感想から
・前にコスミックビーイングの心の中に入っていった人が、バガヴァンはこちらが盛り上がって歌っていても顔色一つ変えず目を閉じたままだったので、何を考えてるんだろうと心に入っていくと、バガヴァンも僕らと一緒に歌ってそれをまた自分で聞いて喜んでいたそうだ。
(へぇ~)
・もう一人はホーマの時にバガヴァンとアンマに小さい頃の自分が抱き上げられるのを見て感じたそう。
また食堂に行く途中、工事中のインドの少年を見て自分が彼になったり、自分が下の土になったり、土になった自分の上を犬が歩いて行ったりしたそうで、涙が止まらなかったらしい。
(ほぉ~)
僕自身はバガヴァンのダルシャンの時、やはりあまり現実感がなかったのだが、途中「ふるさと」を歌うあたりからなんかハートが暖かくなってきた。
イニシエーションのあと昼食に食堂に向かう途中、
「プロセスが順調にいってるように思っているが本当か?」
「勘違いじゃないか?実は前と何にも変わっていなくて、日本に帰ってから焦るんじゃないか?」
「プレゼンスと自分が勝手に思っているのも実は違うのではないか?」
という考えが浮かんで不安になる。
この不安感はダルシャンで消える。
ダルシャンの最中もプレゼンスが現れたからだ。
註:これは一般にダークナイト・オブザソウル(dark night of the soul)と呼ばれ、覚醒のプロセスが最終段階に入る寸前に、すべてが錯覚で自分のやってきたことが無意味で自分が無価値に思えてしまう瞬間が訪れることがあります。
これがマインドが壊れだす前のマインドの精一杯の抵抗で、仏陀が悟る寸前にも同じことが起こりました。
人の体験をシェアするのは、実はプレゼンスの現れ方が人それぞれ違うというのをわかるためと、人の話を聞くことにより自分のプロセスが進むこともあるらしいから。
分かる気がする。
我々が講義内容をよく理解しており、すべてに非常に協力的でダーサジー達も感謝しているとのことだ。
アンマ・バガヴァンのプレゼンスを呼んでアーナンダ・マンダラを行う。
その後高い意識レベルのダーサジーによるディクシャ。
これは今まで受けた中で一番良いディクシャだった。
不思議とディクシャを受けている最中に「アンマ・バガヴァン、ありがとうございます」と自然に心に浮かぶ。
シャバアサナの姿勢。
本当に寝てしまわないように注意されるが、それがまた難しい。
ただ心に浮かぶ事がらをながめている。
悟りのあるいはワンネスのプロセスとは、ある時点で今までの自分から別の自分になりました、ハイ、悟りました、というものではありません。
常に進行していくものです。
この21日間コースの最後の数日間でbreak throughする人が結構いらっしゃいます。
だからギバーになったから「ハイ、終わり」というものではないのです。
神の助けも困った時に助けにきてくれて、仕事が終わったら「はい、完了」と言ってどこかへ行ってしまうというようなものではないのです。
次のセッションは4時から。
日差しが眩しい。
休憩時間に瞑想室でまじめに瞑想しようとしたら、急にまた得体の知れない力に首を後ろ向きに引っぱられた。
これはスゴイ力である。
そのうちもっと驚くようなことが始まった。
首の後ろ、肩の真ん中くらいの僧帽筋と呼ばれる部分が、まるで家庭用低周波治療器でも当てているような感じで勝手に筋肉がリズミカルに収縮するのである。
こんなところの筋肉、自分の意思では絶対に動かせない。
トントントン、と続いたかと思うとトトトトトと早くなったり、ぎゅうっと揉むような感じになったり、まるで友達相手にマッサージ器を使って次々に指圧モードを変化させて遊んでいるみたいだ。
でも今僕の筋肉を動かしているのはかなり強い力である。
器械でいうなら強に相当するだろう。
これは2:16から3:54まで一時間半も続いた。
こっちは汗だくでクタクタだ。
急がないと次のセッションに遅刻してしまう。
いったい何のメッセージなんだろう?
午後のセッション~ディクシャのやり方~
まずアンマ・バガヴァンのプレゼンスを呼びだし、両手をゴールデンボールあるいは黄金の水、あるいはプレゼンスで満たしてくれるようにお願いする。
常に手はアンマ・バガヴァンの手であると意識すること。
あなたがディクシャするのではない。
あなたのパワーは関係ない。
相手は少なくともディクシャを受けたいと思っていること。
そしてそのゴールデンボールを頭頂部から中に注ぎ込むようにする。
そして両手を頭頂部においてディクシャをする。
エネルギーが入ったと思ったら終了。
だから人によりディクシャをしている時間はまちまちである。
その後、6人グループになってディクシャのやり合い。
みんなディクシャをするのにも個性があるね。
でもエネルギーはちゃんと来る。
これからは新しい世界に入ります。
それはプレゼンスとともに生きる人生です。
7時40分よりコスミックビーイングとの瞑想。
なんか今日はいつにもましてフラフラで入ってくるなあ。
こいつらメシちゃんと食ってんのか?
なぜかしら瞑想中、「竹田の子守唄」と「近江の子守唄」を心の中で歌う。
日本に帰ったらギターの弦を新しくして、子供たちに聞かせよう。
明日は7時半より男女合同でセッションをするそうだ。
ゴールデンボールとは神の精霊のこと。
大矢さんが言ってたけど、今回は講義に重点をおいたコースになっているらしい。
いよいよ実質あと3日だ。
2010.11.22