本日は第55回有馬記念であります。

競馬というのは10年周期で物語を作っていくようになっていまして、その10年の象徴が3冠馬ということになっております。

ですから10年ごとに必ず3冠馬が登場するわけでして、もっと言えば10年の始まりには次の3冠馬がどのような馬で、どのような戦歴を積み、どの馬主のどの厩舎のどの騎手にするかまで事細かく事前に決められております。

そしてその馬名まで生まれる前から決められているという、そら恐ろしい話なんでございます。

 

かつて日本の競馬は本来、軍馬育成を目的としていました。

そのうち馬券を発売するようになったのですが、これがヤクザや調教師や騎手を巻き込んだ大八百長事件を引き起こし、非常に由々しき問題となったのでこれを解決するべく出来たのがJRAすなわち日本中央競馬会であります。

そして、二度と八百長事件を起こさないように、主催者側が前もってすべてのストーリーを決めていくという前代未聞の日本独自の競馬がスタートしました。

 

さて第55回というのはゾロ目開催といいまして、そこで一度10年周期の競馬のストーリーが終結することを意味します。

そして次の10年に向けて新たなストーリーをスタートさせます。

各レースごとに施行回数は違いますので、今回であればあくまでも有馬記念におけるストーリーということになります。

そして、そのための句読点のようなものとして、同じ枠の馬同士で1,2着が決まるゾロ目決着や万馬券、出走取り消しや競争除外、1番人気2番人気決着などの結果になることがあります。

それにより、わかりやすく区切りをつけようという官僚の独特のセンスです。

さあ、今日の有馬記念はどのような決着になるのでしょうか?

ちなみに3枠6番の馬、おそらく2番人気になると予想されたジャパンカップの勝ち馬、武豊騎乗予定だったローズキングダムは出走取り消しになりました。

 

有馬記念というのは原則的に世代対決のレースとされています。

つまり3歳馬対古馬みたいな決着になるということです。

あくまでも原則ですが。

また有馬記念は連続連対つまり、去年も連対して今年も連対というのは珍しいし、ましてや2度も勝つというのは至難の業というよりタブーに近いとされています。

なぜか?

 

それは現代競馬というのがすべて皇帝シンボリルドルフを規範としているからであります。

シンボリルドルフを超えることは許されない、もしそれをしたいのなら相応の手続き(戦歴)を踏まなければならないことになっています。

仮に、その禁をおかすと音速の貴公子サイレンススズカのように府中の杜で競走中止から安楽死となってしまうことがあります。

 

実は僕が生まれて初めて万馬券をとったのがその秋の天皇賞でした。

3コーナーから4コーナーの途中でサイレンススズカが明らかに故障したのを見た時、僕は背中に電流が走りました。

何となくレース前にそうなる予感がしたからです。

そしてそこを避けるように4コーナーを回ってやってきたのが柴田善臣騎乗のオフサイドトラップ。

人が大勢いる中でテレビを見ていたのですが、皆が落胆の声を出している中で最後の直線を先頭で走ってくるオフサイドに「よしっ!そのままっ!」と大声で声援を送っていたのは僕だけでした。

サイレンススズカはやりすぎたのです。

 

もちろん故障が偶然なはずがありません。

およそ何メートル走った時点で故障するかも事前に決められています。

信じられないでしょうけど、本当の話です。

でもね、サイレンススズカなんかはまだ本人が1番人気を背負っての主役ですからいいのです。

あとでファン告別式みたいなのもやってもらえますしね。

可愛そうなのは、ある馬を勝たせるために犠牲になる名もない馬たち。(名前あるけど)

これはよく優駿牝馬(オークス)で見られます。

とにかくどうでもいいような馬が一頭競走中止してくれたら、あとはそのレースは番外戦のようなカテゴリーに分類されるので何でもありとなり、本来なら勝つだけの資格を持っていない馬が勝てたりするわけです。

競走中止というのはほとんどの場合、馬運車に運ばれて薬物処理されます。

まあ動物愛護協会が聞いたら怒りそうな話ですが、主催者は農林水産省ですからね。

文句言おうにも、言えませんわなぁ。

世にも恐ろしいこの話の続きは次回に持ち越し。

2010.12.26