素材と料理
昨日の歯科医師会の新年会は午後1時開始でした。
僕が歯科医師会館に着いたのは2時。
ちょうど乾杯が終わったところでした。
ということはそれまでの1時間は、例によって偉いさんの挨拶が延々続いていたということです。
議員も何人か来られてました。
僕はおよそのタイムスケジュールを聞かされていたので、わざとその時間に行ったのです。
なぜそんなことをしたのかというと、いつもは午後4時から学術委員会があるのですが、昨日に限り新年会終了後すぐに開始ということでした。
だから新年会に出ていなければ、委員会の開始がわからないからなのです。
僕だいたいが、同業者がたくさんいるところが嫌いです。
気分悪くなってくるんです。
それでもまだ学会ならマシな方。
昨日のように、議員やら何やら政治の絡みもあるような場所に、たくさんの歯医者がいるというのは僕にとっては非常に居心地が悪いです。
あまりね、いいエネルギー出てないですよ、皆さん。
お昼は家で食べていったのですが、ビュッフェスタイルでそこそこ食べるものもありました。
もちろんアルコールも。
コンパニオンまでいます。
???
歯科医師会の女性の事務員さんたちが、会員の先生方のコートを預かったりしています。
なんか、違うんじゃないの、コレ?
もちろん団体としての政治活動も重要だとは思うのですが、でも僕にはよく理解できない新年会でした。
そこで出された鉄火巻きをつまみましたが、何か変な味!
もしかして、ケータリング用のお寿司って防腐剤か何かの粉でも混じってるの?
どこかの調理場で作ったやつをここに運んでるだけなのに。
唯一食べやすかったのが、小さく切られたサンドイッチ。
他に食べるものもないし、ヤマザキパンでもまあいいや(笑)
僕、つまむものがないとお酒がすすみません。
僕がお酒がお酒を呼ぶような状態になっていたら、即避難してください(笑)
余ってもったいないと思っていたら、皆さんお昼食べてらっしゃらないみたいで、ほとんどなくなりました。
で、本題。
本日は七草粥です。
お正月の食べ過ぎと一年間の無病息災を願って、早春の野草を粥に入れて食するとは何と日本的なことでしょう。
でもおせちも含めてこういった伝統的な日本の習慣が失われつつあるのは悲しいことです。
その原因の一つに全共闘世代があります。
彼らは旧来の価値観を否定して運動をしていました。
その人たちが人の親となった時に、それらの伝統を引き継がなくなったのも大きく影響していると思われます。
また自分のイデオロギーつまり主義主張が問われた時代でもありました。
それがなければ、大学によれば吊るし上げを食いかねない状況もあったでしょう。
その結果がマインドの餌食となったことは言うまでもありません。
さて、僕たちは、ほとんど素材の本当の味を知らないってことを知ってましたか?
例えば牛肉であれば、何らかの調理法と調味料を使って料理をするわけですから、元々の肉の味ではないわけです。
シンプルに焼いただけでも元の状態ではありませんし、生肉を刺身で食べるといっても醤油つけるでしょ?
こうやって考えていくと、果物や生野菜をドレッシングや塩をかけずに食べる以外で素材の味単体を味わっているものってないんですよ。
これ気がついた時は結構ショックでしたよ。
何かあるだろうと探したのですが、ないんです。
ということは、本来人間が感謝しながら食べられるもの、食べていいものとはやはり、果物と野菜なのではないかと思うのですね。
美味しい料理はたくさんありますが、そして特に日本料理では素材の味をいかに引き出すかということに主眼が置かれますが、でも素材そのものを調味料なしで味わっているわけではありません。
料理とは、そのままでは食べられないものを何とか食べられるようにする手段ではないか?
そんな気がします。
例えばごく新鮮な鯛があったとして、洋風にも中華風にもイタリアンでもフレンチでも、いかようにも料理の仕様はあるのですが、少なくとも日本人にとって絶妙に締めたものを冷蔵庫で数時間おいて、最もうま味がでたところを刺身で食べるという以上のものはないのではないでしょうか?
それとて、刺身を醤油につけずに食べたって美味しくもなんともないわけです。
これから少しその辺の話を続けましょうかね。
2011.1.7