本日は少し軽いお話を。

ただし少々びろうな話でございます。

あれはまだ僕が弱冠22歳の時。

痔が出ました。

イボのようなものが肛門の外に出たまま引っ込まないのです。

嫌々ながら肛門科のお医者さんに行きました。

ああいう所は性病科が併設されています。

大変にビミョーなのであります。

 

驚いたのは実に女性の患者さん、それも若いOLさんが多いということ。

トイレを我慢されるからでしょうか?

細かいこと書いていったら、いくらでも面白いことが書けるのですが、一応テーマに沿ったことにとどめておきます。

 

どのような治療になるかというと、切除するわけなんですが、その医院ではメスを使って取るということは勧められませんでした。

薬を塗ってその部分を乾死させて取る方が再発が少ないという説明でした。

具体的に言うと、まず麻酔をしてそのイボの根元をグルグル糸で縛り、イボの部分におそらくはパラホルムアルデヒドかなんかの組織を乾燥させ壊死させる薬を塗る。

そして一週間後位にミイラ状になったイボをポロリと取る。

話だけ聞いていたら何てことなさそうなんですが・・・・・。

 

あなたね、肛門の周りの粘膜に麻酔打たれてみなさい、絶対涙出るから。

僕は女の人がするみたいに、右手の人差し指を曲げて、その指を上下の歯で噛みしめて耐えていました。

そして一週間後、またしても麻酔されるのです。

これだけは全然慣れない。

また同じようにして耐えました。

そして無事イボは取れたのですが・・・・。

 

その帰り、地下鉄四つ橋線西梅田駅から難波に向かって乗るのですが、途中で麻酔が切れてきた。

なんかドックンドックン拍動するような痛みが襲ってきます。

生まれてからこのかた、ちょっと経験したことがないようなものがやって来るいや~な予感が。。。

次の肥後橋駅、、、、全身から冷や汗が流れ出します。

その次の本町駅、、、、血圧思いっきり下がってきて、意識が朦朧となってきました。

列車は昼間のことで空いていたので座っていたのですが、ほとんど横になるくらいの姿勢でないと苦しい。                                        

そして四ツ橋駅、、、、もうダメ。

             列車を降りて、ホームのベンチで横になり休憩。

 

ほうほうの体でようやく奈良の自宅に戻って来た時には、髪の毛が真っ白になっていたといいます(←ウソ)

僕が痛みのせいで気絶しそうになったのはあれっきりですが、昨年秋の鎖骨を骨折した時もその痛みはかなりのものでした。

 

で、今日は何も痔の話をしたいわけじゃありません。

言いたいことは「痛い時にはよく痛みを味わいなさい」ということです。

 

僕はその時に、治療してくれたお医者さんに腹が立つということもなく、というかそこに感情を向けることなど考えもしません。

痛むかもしれないから痛み止めを飲んどきなさいと言わなかったとかなんとか、説明が不十分だなんて思いませんでした。

ただ、かなり耐えがたい痛みがやって来て、それが去っていくまで横になってじっとしていた、というだけの話です。

今とはずいぶん時代が違うのかもしれませんが、これこそ最速で痛みのトンネルを抜ける近道なんですね。

 

どうしてあんな治療を受けたんだろうとか、あの医者の腕が悪いんじゃないかとか、今度行ったら説明が足らなかったと文句言ってやろうとか考えていると、痛みはなかなか去りませんよ。

仮にその医者の腕が悪く、診断も治療方法も適切ではなく、おまけに説明不足であったとしても、数ある医院の中からそこを選んだのはまぎれもなく僕自身だからです。

そして痔をこしらえたのは全面的に僕の責任。

医者にあたるのは全く見当違いもいいところなんですね。

 

皆さんは今までで一番痛かったことって何ですか?

そこに付随する思いは何でしょうか?

これ、結構自分の核心をついてきたりするので、ドキッとしたりしますよ。

 

痛みに思いをのせる必要はありません。

というより、そんなことやっちゃダメです。

泣きたい時はよく泣き、

笑いたい時はよく笑い、

怒りたい時はよく怒る、

そして痛い時はよく痛みを味わえばよいのです。

 

実はここだけの話、親知らずを抜いて、特にすごく時間がかかって抜きにくかったとかでもないのに痛みが全然ひかない人がいます。

共通しているのは「先生は抜いた方がいいと言ったけど、本当に抜く必要があったのか?」という思い。

そこに右なら母親、左なら父親に付随した怒りの感情をのっけられると、こりゃチョットやっかいなことになるのであります。

 

過去にたった一人だけ、そのことを患者さんに告げたことがあります。

「本当は抜く必要がなかったんじゃないか、って思ってらっしゃいません?」

「その通りです」

「たぶんその思いが痛みとなって固まってますよ」

「なるほど」

そうしますとね、もうその日の晩から痛みはきれいさっぱりなくなった、とさ。

 

水曜日の朝、歯周病の再生手術予定の患者さんが体調不良のためキャンセル。

ポカッと時間があきました。

そこで当院の歯科衛生士である村上さんの右下に眠っている親知らずを抜くことにしました。

歯がほぼ真横になっていて、大部分が骨の中に埋まっているといういわゆる埋伏智歯と言われるものです。

思ったより少し時間がかかったのですが、無事終了。

抜き終わると同時にアイシング(氷水による冷却療法)

その後今日まで全く腫れることもなく痛むこともなかったそうです。

 

あまり言われることがないのですが、医療行為において相手を信頼するというのは非常に好結果をもたらすのであります。

 

また先日、妊婦さんが来られました。

7か月ですから安定期です。

虫歯があったので治療したのですが、どうやらかなり深そう。

こういった場合、通常レントゲン撮影や麻酔はしませんが、ただしそれらをする方がメリットがデメリットを上回ると判断された時には患者さんの了解のもとに行うことがあります。

今回はとりあえず削ってみて、我慢できない痛みを感じたら麻酔をしましょうということで始めました。

すると神経のすぐ近くまで進行していた虫歯なのにまったく無麻酔で処置を完了したのです。

自分でもびっくりしました。

これが本当の無痛治療。

無痛治療については近々お話します。

 

僕は妊婦の方が来られたら、お腹を触らしてもらうことにしています。

もちろん了解を得てからですが、「ちょっとオマジナイしておきましょうね」と言ってヒーリングをしちゃいます。

その時にお腹の赤ちゃんに挨拶するのですが、これをやっとくと治療自体もスムーズにいくし、生まれてきてからも僕を見て泣くということがないように思います。

「やあ、お久しぶり」てな感じ。

その方もお腹が張るとのことでヒーリングさせてもらったのですが、もしかしたらあれだけ深い虫歯を無麻酔で治療できたのも赤ちゃんが守ってくれたお蔭かもしれません。

2011.3.5