待合室の掲示板にメッセージを書きだしてから、結構楽しみに読まれる患者さんも多かったのですが、ただ書いている量が多すぎてその日に全部読み切れない方がいらっしゃいました。

そこでできるだけお金をかけずに、患者さんが持ち帰りやすいような小冊子にして、もっと根源的なメッセージを書こうと思ってできたのが写真の「シャングリラからの伝言~ダイジェスト版~」です。

シャングリラからの伝言冊子 002.jpg

B5版の二つ折り。

その頃は本を出版することなど考えていませんでしたから、ダイジェスト版というのもおかしな話なのですが。

院長が書いてるメッセージだとつまらないと思い、ちょうどその頃待合室の椅子に座っていた作郎を登場させました。

その冒頭で作郎は次のように述べています。

「これはダイジェスト版ですので、『おまえはカッパではないのか?』といった疑問はほっといて早速本題に入ります」

偉そうでしょ。

完全に上から目線です(笑)

 

まず一冊目で人生の意味と幸せの定義をしました。

当分たってから二冊目を出したのですが、そこでは宇宙の誕生について、そしてそれと人生の意味との関連性を述べました。

その後、次々と後編ができ、最終的に13冊になりました。

よく、「あれだけの本を書くのは大変だったでしょう?」と聞かれるのですが、基本的にそれらの13冊をつなぎ合わせただけなので、な~んにも大変なことはなかったのですねえ。

「いや、あんなのすぐ出来ました」と言っても信じてもらえません。

出版社に送ってもほとんど完成原稿なので、単に校正するだけの作業でした。

 

実は本を出そうと思って先に原稿にしたのは、待合室に掲示していた内容の方だったのです。

それをある出版社に渡したのですが、その顛末は近いうちに書きますね。

気をつけないと自費出版というのは実に巧妙に詐欺のようなことがまかり通っている世界なんです。

例えばそこの出版社の見積もりは1500部で240万でした。

僕が最終的に本を出した出帆新社に支払ったのは100万以内です。

その他いろんなカラクリがあるのですがそれは後日。

 

僕は受験にしても大学在籍中もすべて現役ストレートで来ました。

大して勉強もしなかったのですが、なぜだかツイテいたのです。

これは謙遜ではなく、本当にそうなのです。

ところが唯一人生で挫折を味わったのが、この出版原稿。

僕は文章書くのに自信があっただけに尚更のことでした。

こんなにもたくさんの出版社の編集部に却下されるなんて初めての経験です。

一社だけ担当の方が原稿をすごく気に入って下さり、編集会議にかけてもらったのですが、会議でボツ。

理由はわかりやすいです。

売れないとわかっている本を出す出版社はない。

今話しているのは自費出版ではなく、出版社がすべての費用を出す商業出版のことですよ。

最初はそのようなスタンスで原稿を売り込んでいたのです。

自費出版で金さえ出しゃ、どこだって印刷してくれます。

だって一般的な出版社にとって自費出版というのはとてつもなく儲かるからです。

中には良心的な出版社もあって、出帆新社はそこに属します。

 

つまりね、こういった精神世界の本においては例えば江原啓之さんとか山川紘矢さんなどのビッグネームであればある程度売れる冊数が見込めるので出版するけれど、この出版不況の中、無名の歯医者が書いたものなど出すようなリスクは負えないわけです。

原稿の中身は関係ないんですね。

 

最初に書いた原稿も、今の本の原型となるものもその都度ケビン(中西研二氏)には見てもらっており、その時に「もし本を出すんだったら出帆新社の加部さんはディクシャギバーだからそこがいいんじゃない?」と言われてましたので、結局そこに落ち着いたわけです。

最後はもう自費出版で仕方がないか、でもなんとしても出した方がいいみたい、という感じでした。

 

でもね、僕、いまだに思うのです。

原稿それ自体は本当に素晴らしい。

おそらく古今東西、これだけの本はなかったと自負しています。

非常にわかりやすい上に、およそあらゆることを網羅している割に全体のボリュームが少ない。

僕が書いたからじゃありません。

むしろ僕は書き手に選ばれただけだと考えています。

ただこれが江原啓之さんや山川紘矢さんの手によっていたら、もっと広く読まれたのに、なんで僕だったんだろう・・・・・。

それがすごく残念でなりません。

せっかく良い本なのに。

当然、すべては完璧ですから何か意味があってそうなっているとは思うものの、どうも今のところ納得いきません。

 

さて、本の最初の校正でしたことは、主に語尾がおかしくないか、表現の重複がないかと、表紙決めです。

シャングリラというからにはチベットでしょうけれど、あまり固い感じの表紙にはしたくなかった。

そこで作郎を表紙にしようとして仮刷りしてもらったら、これがまあ笑っちゃうくらい映えません。

「おまえ、アップにしたら全然いけてへんなあ」と思いながら、もう装丁士さんにおまかせしましたところ、現在のヒマラヤかどこかの写真になったわけです。

非常に力強いパワーを感じます。

去年の神戸でのワンネスフェスティバルで本をブース販売していたら、目の前に立たれた女性が本の表紙を見て涙されたくらいです。

 

2回目の校正でどうしても空きページが3つほど出るので、そこをどうしましょう?という話がありました。

するとフンフンッと短い文章がいくつか浮かんだので、取捨選択しそれをはめ込みました。

いくつかある詩は、待合室に掲示していたものです。

それぞれある時突然パッと頭の中に浮かんだものですが、まるでそれが本が出来ることを予想していたかのように、適切なページに埋め込まれました。

 

合計で1200部刷りました。

著者引き受け分が700冊。

残り500冊が全国流通分です。

出版して一年と少し経った今、僕の手元には60冊くらいしか残っていません。

全国の書店の在庫やWEBショップの在庫がどのくらいか知りませんが、あまり多くはないでしょう。

おそらく増刷はされないと思いますので、読んでみたいなと思われる方は今のうちにお買い求め頂くようお願いします。

 

今日もうすぐ広島から嫁さんだけ先に帰ってきます。

これで外食ともおさらば。

さっきお昼を食べに行ったら、そこのお店の外に出してる黒板に本日のオススメが書いてあります。

鳥の唐揚げ定食に見えました。

「鳥唐はいらんなぁ」と思い、メニューを見せてもらってチキンカツ定食にしました。

周りで本日のオススメを食べている人を見ると、なんか僕のとよく似てる、というか向こうの方がボリュームもあって美味しそう。

お金を払って最後にもう一度黒板をよく見てみると・・・

「本日のオススメ  鳥のはさみ揚げ定食」て

なんか、ものすご~く意味のないことをしたような気が・・・・

 

さあ、また彼女とギュ~が出来る。

ウレシイなったら、ウレシイな!

2011.3.29