問題の核心~意識の持ち方次第だよ~
これは経営セミナーではないので、具体的にどうこう言うことはしませんが、この問題の根本は何かというのをちょっと探っていきましょう。
一つ大きな問題点は、他の医院は自分の医院の特色を前面にうちだしており、それによりある特定の顧客層を狙って他所と競合しないようなスタンスをとっているのに対し、あなたの医院はどんな治療もこなすんだけど、その反面特色に欠け、インプラントや審美や予防歯科にしても、プライバシーに配慮した最新の治療にしても、どれもそれなりに勉強して取り入れているにも関わらず、道行く人に対して訴求力が弱いということです。
それに対する解決策はというと・・・・なんてことをやっていくと、それこそそのへんのセミナーになるのでここでは触れませんが、その点についてはまあ何だって好きにやりなはれ。
何をやったってそれなりの効果はあるでしょうが、僕が言いたいのはもっと根源的な問題です。
今あなたの心には、自分には何かが足りないという思いがあります。
これが恐怖の大魔王なんだな。
こいつなかなか強敵です。
他の医院にあって自分の診療所に欠けているものを探し始めます。
美人の受付?
スタッフの笑顔? それより何より院長の自分は笑顔でいるのか?
目立つ看板?
カウンセリングにかける時間や方法?
etc.
これやりだしたらキリがありませんが、やってしまいます普通。
何か他の医院にないものを自分の医院に取り入れる。
そこで研修会に参加して新たな診療システムを目指してみる。
それこそドラッカーのマネージメントを熟読したりします。
おわかりでしょうが、これ泥沼です。
どこに間違いがあるのでしょうか?
賢明な読者の方はピンとこられていると思いますが、それは
自分に足りないものがある
という錯覚です。
だって、あなたは不勉強でもないし、真面目に治療に取り組んでいて、患者さんのことも大切に考えてるんでしょ。
じゃあ何にも問題ないじゃん!!
部下を育てる時に大切なのは欠点を注意することじゃなく、長所を褒めて伸ばすこと。
こんなこと昔っから言われてることなんだけど、自分のことになると忘れちゃうんです。
あなたの診療所や周りの新規医院の開業の一連の出来事の中で起こっていることの核心はね、
あなたは何者であるのか?
を問われているということです。
だって、今までは周りに歯医者なかったんだから、そんなこと考えずにすんだわけですよね。
それを経営的にどうすれば勝ち残れるかというのを教えるのが普通の経営コンサルタント。
「シャングリラからの伝言」はそげなことはせんのです。
ここでいう「あなたは何者であるのか?」というのは二つの意味を持ちます。
あなたの診療所は何者か? というのと
文字通り あなたは何者か?
前者については、まさしくドラッカーのマネジメントじゃないけど自院が顧客である患者さんに対してどうありたいのかを明らかにすれば良いわけです。
問題は後者の方。
要するにね、そのような事態になった時に自分の欠点を探すようなところを改めなさい、ということです。
あなたはあなたであって、十分に素晴らしいのだ
これを腑に落とすと強いです。
そして、今回の出来事はあなたの人生において、そろそろそのことを認識しなさい、というあなたのプレゼンスからのプレゼントなんですね。
Present from your presence
ということなんです。
自分の診療所の存亡が関わるくらいでないと、誰もそのことを真剣に考えないからね。
これらの気づきの中で、往々にして他の医院を否定する心が出てきます。
「あんなやり方をして、ハナから保険診療を否定しているようなもんだ」とか
「ポロシャツなんかで治療に当たるのは医療人として失格だ」とかね。
でもこの根底にあるのは、やはり自分のところは大丈夫だろうか?という恐怖心以外の何ものでもありません。
自分の個性を受け入れられるようになれば、当然のことながら他院のことなど気にならなくなる、というよりそれをも称賛できるようになります。
素晴らしいじゃない?これって。
ただね、これは僕のあくまでも個人的感想ですが、周りの医院は笑顔で接遇というけれど、それってファーストフード店の「いらっしゃいませ、こんにちは!」に似てない?
僕なんかは笑顔の裏側が見えてしまうので、そんな表面的な愛想よりも粛々と仕事をこなしている医院を選ぶけどね。
いちいちこちらの事を気にかけられるより、待合室で静かに本読ませといてくれ、って思っちゃいます。
だいたい、自然に笑顔が出来ない先生やスタッフはあかんのか?
無理して鏡の前でスマイルの練習するなんて馬鹿げてると思いません?
(多くの歯科医院のスタッフは練習させられるんですけど)
ということで明日はこれらの話の総集編です。
2011.5.10