新広島
テレビ新広島というのがあります。
今は新しく変わっているようですが、当時のオープニングとクロージングテーマをダークダックスが歌っており、その歌詞がまあ、あり得へんくらいダサいのです。
それでいて今でも頭にこびりついて離れません。
これ聞くと、最初に院長の部屋に居候していた時に、まだ食料品や電化製品がほとんど揃っていなくて、フライパンで昆布出汁もとらずただ湯を沸かしたところに野菜を放りこんで安い豚肉のシャブシャブをしたら、えらく不味かったのを思い出します。
そんな時に深夜、唯一買った安いテレビでこの歌を聞いて、「こりゃエライ所に来てしもたなぁ」と変にセンチになったものです。
我慢して大学にいりゃ近々助手にもなれたのに、これで本当に良かったんやろか?
そう思うことしきりでした。
容量の関係で、リンクを貼りつけるだけにしときます。
歌を聞きたい人はコチラ
これを久しぶりに聞くと万感こみ上げるものがありますね。
勤めていた横山歯科医院の横のビルの2階に一膳酒場というお店がありました。
(今は場所が変わっています)
勤め始めて数日後に一人でカウンターの一番端に座って飲みながら、横に置いてある本とかを見ていると、忙しいながらもマスターの西尾さんが話しかけてこられました。
「お客さん、どちらから来られたんですか?」
だいたいがこの人、お客さんに話しかけるような性格じゃありません。
とにかく店内は満席で手を止めてる場合じゃないし、口動かしてる場合じゃないのです。
後から聞くと、なんか僕のことが気になって仕方なかったそうなんです。
一膳酒場はその後も足繁く通い、僕たち夫婦が広島を離れる時も送別会を開いてくれました。
宇品から船に乗って「がんね」という島に行き、そこのとある民宿で宴会です。
実はこの民宿の大将、かつては知る人ぞ知る広島の有名ホテルの一流のフレンチシェフだったのですが、ある食中毒事件の責任をとって辞め、そんな所に引っ込んだのです。
ちなみにその責任は大将にあったわけじゃありません。
いろんなシガラミから自分が引責しなければならない状況だったそうです。
これが笑っちゃう位の普通の民宿というか、海の家というかですねぇ、そこのなんてことのない食堂のメニューにはラーメン、うどん、そば、カレーライスそして、「フレンチのフルコース出来ます。ご希望の方は係まで」と書いてあるんです。
「これ頼みはる人います?」
「そんなもん誰も頼まん。ほじゃけど、たま~に馬鹿にしたように頼むやつに出してやったら、みんなビックリしよる。こっちは腹ん中で笑うとるだけよ」
ここは広島市内の人が海水浴に行く島で、その頃のメインの海水浴場の名前がムーンビーチて。
どれだけロマンティックな名前つけんねん(笑)
一流の料理人は何を作っても上手です。
夜の料理も全部和食なのにすごく美味しい。
魚は地元の仲良くしている漁師さんに良いものを届けてもらってるそう。
翌朝の朝飯がまた抜群。
純和食なんだけれど、ご飯もみそ汁も笑いがこみ上げてくるほど美味しい。
僕、いつも思うんですけど、旅館に泊まって豪勢な料理を出してもらっても、それらは素材さえよければそこそこ食える。
でも朝食をととのえる時に、自家製味噌で拵えたお味噌汁、きちんと天日干しされた魚の干物、ぬか床で漬けたお漬物、そして炊きたてのご飯、これらでそこの本当の実力がわかる気がします。
本来気難しいはずのその民宿の大将とみんなで大盛り上がりした宴会でした。
広島に住んでいる間、その他のいろんなバーのマスターやお客さんたちとも仲良くなりました。
こういうのは得意中の得意です。
バーテンダー協会主催の花見や海水浴にも参加しました。
そして結婚して広島を離れる時、僕と妻の友達みんな呼んで披露パーティを催しました。
当時、中の棚にあったロータスイーターというお店です。
僕は知り合いに借りたカッパの着ぐるみを着て登場。
妻の友人たちはほとんどが僕を初めて見るわけです。
「どんな旦那さんやろ?」
という皆さんの期待を裏切りません、僕。
「こんな人です。バァ」 みたいな(笑)
僕の知り合いは皆、普通に接してました。
もう慣れたのね、僕に。
さて、そのお店から次の2次会のバーへ移動です。
僕、着ぐるみ着たまま。
袋町から並木通りへ。
並木通りというのはね、パルコとかがあって、あえて言えばファッションの街、オシャレな通りなのです。
途中、外人が明らかに僕の方を見たにもかかわらず完全無視。
広島の人、ノリが悪いですねぇ。
あまりにも注目されないので中央通りという、大阪で言えば御堂筋みたいな通りを渡る時に、当時のひょうきん族で明石家さんま演じる「しっとるけ」を真似て、「ひゃほっ」とか叫びながら移動していきました。
考えてみれば、今でもワンネス歯科の忘年会でミナミの街で同じようなことをしています。
ここでも進化しない僕がいるわけです。
そんなこんなで、僕の行くところ深い爪跡を残しながら、1年8カ月にわたり可愛がってもらった広島の街に別れを告げたのでした。
本日、すごく遠いところから(北陸方面)HPの読者の方が個人セッションを受けに来られます。
なんか、すごいなぁ。
そして明日は競馬の祭典、第78回日本ダービー(東京優駿)です。
あらゆる競馬関係者の夢、すべてのサラブレッドはこの頂点を目指すのです。
その中で府中のターフを走ることができるのは、たった18頭。
そこに立つことの出来なかった馬達の夢ものせて、さあ誰が先頭でゴールを駆け抜けるのでしょうか?
血沸き肉踊るとはまさにこのこと。
気合い入るわぁ。
2011.5.28