It’s A Popping Time ~はじけようぜ~
大学在籍時、うちの医局で国際学会を主催したことがあります。
まだメールなどというものがなかった時です。
初めての国際学会を担当し、海外の演者とのやりとりや、通訳会社とのやり取り、しょっちゅう電話はかかってくる、その他諸々で、あるとき秘書をはじめ医局にいるみんなの頭のネジが飛びかけたことがあります。
その、何にも可笑しくないのに、ヘラヘラ笑いがこぼれ出した時、僕は思わず表題の言葉を叫んで医局で踊り出したのです。
学会場は神戸の国際会議場、レセプションはポートピアホテル。
アメリカから招待したドクターに「レセプション会場はどこか?」と聞かれ
「Japanese Cuisine on the fourth floor」と言ったら
「first?」
「fourthやfourth!だいたいがワシ指4本出しとるやんけ!」相手は日本語がわからないので、ここは声に出したりなんかして。
ところが、その先生のお嬢さんが食事の後、気分が悪くなられました。
別に食中毒とかじゃなく、日本食が合わなかったのだと思うのですが、日本人からすれば日本食で気分悪くなるというのがどうにも理解できませんでした。
さて必要ないけど土曜日のご報告を。
7時半にミナミの周防町にある「魚はん」で待ち合わせ。
ところが僕は土曜日は仕事が5時に終わるのでミナミについたのが6時半。
馴染みのBARに行き、ギネスビールと胃に膜張る用のチーズ盛り合わせを頼み(これを専門用語で”幕張まっせ”という)、その後ウィスキーのハイボールを2杯。
それから出撃です。
「魚はん」は時々僕が食べたことのないようなものを出して感動させてくれます。
以前生まれて初めて「ヤガラ」の刺身を食べました。
「アナゴ」の刺身も出たことがあります。
そして昨土曜日はなんといっても「じゅん菜」
おはじきくらいの大きさの透明なヌルヌルの中に緑色の若芽。
いったい今まで食べてきたじゅん菜はなんだったんだ!と思うほど、愛らしく美味しかったです。
日本人で良かったぁ。
先の「友遠方より来る」に登場した沖縄の山内先生一家が、自分たちが飲み残した焼酎のボトルを「西ちゃん」と名前入れてキープしてくれている。
魚はんの大将に「あの人ら、特に奥さんよう飲んだでしょ?」と聞くと
「ハイ」とすぐに返事が返ってきました。
以前来阪の折に魚はんに行く前日、キッチンニコを紹介したのですが、奥さんはニコのヨシノリ君に「こんなグラス(ロックグラスのこと)じゃ酔わへんわ。もっと大きいの持ってきて」と言って水割り用のグラスを持って来させ、あっという間に店の泡盛を飲みつくしました。
豪快な人です。
魚はんでさんざん飲み食いした後、友達と久しぶりにラウンジに行ったところ、僕の横に色の白い外人が座りました。
「なんか、ナターシャて感じの人が座ってはるんですけど」と言ったら
「え~、先生なんで知ってはるんですか?その子、ロシア人でナターシャっていうんですよ」
ロシアの女性の名前ではよくあるんでしょうが、それにしても時々自分で自分が恐い時があります。
馴染みの23歳のホステスさんと、彼女に友達一人呼び出さして、件のニコちゃんところへ突撃したのが夜中の1時。
最後の方の記憶は定かでない。
彼女たち次の日、海に行くとか言ってましたけど。
みんなと分かれてホテルへチェックインしたのがちょうど27時。
ふと目を覚まして時計を見ると朝の5時半。
「あ!チェックイン遅れる時にはフロントに電話せなあかんねやった!」
と、一瞬焦って周りを見渡すとすでに部屋で寝ている。
Gパンは脱いでるけど、Tシャツはそのまま。
褌はズレて、ナニがそのままシーツにあたっている。
「はぁ」
それから10時前までゆっくり眠りました。
最後に昨日の続き。
なぜこのように前置きが長いかというと、本題が短いからです。
すべてが今起こっている、パラレルワールドの嵐の中を自分の肉体が移動していっているように思うのですが、本当は自分の意識が次々と違う現実に注目していってるだけです。
自分が巻き込まれている現実の中には本当の現実はなくって、その現実を客観的に見ている意識があるだけ。
その意識も実は自分の意識ではない。
よく考えてみれば主人公は自分だけじゃなく、登場人物すべてが主人公。
言いかえれば主人公など無いとも言える。
それらが繰り広げる壮大な劇をこちらで眺めているたった一つの意識があるだけ。
ただそれだけです。
2011.7.11