医療の値段

藍が帰ってくると、末っ子の慧は妻からも藍からもフウさんからも「早よしいや!」と言われ、マイペースで人の言うこと全然聞かないことが身上の彼としてはさぞつらいことでしょう。

これが朝の5時から始まります。

オチオチ寝てもいられません。

藍は帰省する前日も鶏をつぶしたそうで、それは人の口に入ります。

藍が厄介になっている所は、この時期食事に訪れる人が増えるので仕事も多いのです。

懇談は明日。

その後、小さくなった服を買い変えに行くそうです。

土曜日には福井に戻るので明日か明後日には皆で食事に出かけようかと考えています。

 

6月初めに神戸に義歯の研修会に参加してからというもの、当院では上下総義歯の患者さんが一気に増えました。

以前から気がついていましたが、僕が意識を向けた治療に関する患者さんが必ず間をおかずに来院されます。

ですから今はインプラントも多いです。

大阪歯科センターに見学に行き、また元々持っていた知識・技術を合わせて今、新たな気持ちで義歯の臨床に取り組んでいます。

先日の歯科医師会の勉強会でも発表したのですが、ちょっとした工夫で例え保険の入れ歯といえどそこそこ良いものが出来上がります。

この「そこそこ」というのに関しては、ごく近いうちにサイドメニューに「入れ歯の値段」と題して書きますのでそちらをご覧ください。

きちんと噛める入れ歯を作れば患者さんは元気になる。

この当たり前のことが結構難しかったりするのですが、上手くいけばこちらとしても非常に嬉しいです。

 

歯医者にかかればちょっとしたことでもすぐに2、3千円かかります。

去年鎖骨骨折した時に病院に行って思ったのですが、レントゲン撮って固定する位だと窓口での支払いはすごく安い。

ほとんどの国民が歯医者は高いと思っていることでしょう。

我々歯科医の治療は基本的に技術職です。

つまり一般的な内科医のそれとは大きく異なります。

むしろ外科医の範疇に入ると言える。

外科手術の種類にもよるでしょうが、病院で手術を受けた際の支払いはどうでしょうか?

僕は経験がないのでわかりませんが、おそらく歯医者での支払いどころじゃないでしょう。

高度な手術になれば、その後の薬代も含めてそれこそ定期預金を解約するくらいのもの。

いったい医療の値段とは何が適切なのでしょう?

 

どこかで書きましたが原則的にかかる経費の4倍が適切な報酬だとされます。

皆さんがどこかの病院で診察を受けるなり入院するなりした時に、普通は医師や看護師などのスタッフに感謝するでしょう。

どうみても忙しそうで大変そうだから。

そういうスタッフを数多く抱える病院の経営実態は如何なものか?

いまや医療といえどサービス業であるという認識が周知徹底していますから、病院とて色々と患者のためにより良いサービスを提供しないといけない。

そうでないと生き残れません。

でも逆にそれが赤字体質に拍車をかけるともいえる。

どこも大変なのです。

 

決して安くない(かと言って高くもないと思いますが)給料をスタッフに払っても病院が何とかやっていけるのは、そりゃあなた、皆が無報酬で奉仕している時間が多いからです。

病院の医師・看護師に労働基準法まともに適応したら、どこもつぶれちゃいますよ。

個人の小さな医院で病院のような超過労働をしたら、その医者が確実に体壊します。

病院というのはすべてのスタッフがお互いに支え合っているから成り立っているのです。

個人の医院は検査と投薬で成り立っている。

結局バカスカ儲かっているのは製薬会社と医療機器メーカーという図式。

何よりも医療者側の健康に対する偏った概念を変える必要があるでしょうね。

 

最近更年期の女性を見たらやたらと骨密度の検査をして、骨折の予防と称して骨粗鬆症の薬を出されます。

血液検査で血中コレステロールが高いと言っては、高脂血症の薬を出されます。

これらは検査さえしなければ出されない類のもの。

その検査は患者の主訴とは関係なく「せっかくだから、骨密度の検査もしておきましょうか?」という甘言のもとになされます。

骨粗鬆症も高脂血症も主な原因は誤った食生活と運動不足ですが、特に添加物の影響が多いと考えています。

厚労省も医者もはそういった点は全部無視して、政策なり診断治療を行っている。

バカバカしいにも程があります。

 

適切な医療に対する適切な報酬と適切な患者の支払額。

これらを解決するのは並大抵の話ではないでしょう。

消費税を30%以上にしないと無理でしょうね。

しかしそもそも皆さん、医者にかかり過ぎなんじゃないかと思うんですがね。

歯医者にしたってきちんと予防に対する意識さえ持てば、総入れ歯やインプラントなんて普通必要にならないはずです。

添加物や農薬の問題にしてもそうなのですが、肝心なのは国民側の意識であって、それをとり行っている行政や会社、機関を責めても始まらないということなんですな。

2011.7.13

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