奈良の地酒をめでる会

え~、まず最初に書いておかなければならないことがあります。

一昨日のブログでNHKの再放送に思わず見入った旨書きました。

これには妻から重注(競輪用語で重大走行注意のこと)がつきました。

今年の2月か3月に最初の放送があったらしいのですが、その時に「あんたはコレ見んの?」と聞く妻に僕は「そんなダルイもん見れるかいっ」と答えたそうです。

僕は全然覚えてないのですが、ブログを読んだ妻は「あんたはホンッマに都合のええ・・・」

ハイハイ(笑)

 

一昨日の金曜日は仕事終わってから「かえる庵」さんで表題の会が行われました。

年に2回くらいするのかな?

もう何回かやっているのですが、僕は今回が2回目です。

奈良というのは言うまでもなく清酒発祥の地であります(正暦寺)

アホな国税庁の新酒品評会のおかげで、巷には淡麗辛口の酒ばかり溢れていますが、奈良のお酒はどれも旨口です。

味わいがあります。

昨年の平城遷都1300年祭をきっかけに、どのお店も奈良の地野菜や地酒を大々的に取り扱うようになりました。

地元の人間は急にそういうことし出した店は分かっていますので腹の中でフンッと思うのですが、ずっとそういうものを観光客の人に知ってもらおうと努力しておられる店もあるのです。

「かえる庵」さんもそのうちの一つです。

 

ちなみに僕は個人的に一番好きなのは、千葉県の寺田本家の「香取90」

家で飲む時はこれを買ってきます。

風の森

そして今回のお酒の会のテーマは奈良県御所市にある油長酒造の「風の森」全種類を利く。

なかなかこれらが一堂に会することはありません。

関東の方では人気で品切れだとか。

専務も来られましたが誠に若くて30代、杜氏さんやスタッフも皆20~30代と若いそうです。

そういう若い人たちがこのような自分たちが美味しいと思うお酒を作ってくれているのを知ると嬉しいです。

 

その時に隣に座った男性に聞いたお話。(ブログ掲載については了承済み)

彼は生まれながらに体が弱く、学校にランドセルを置いてはすぐに療養所に行くという生活をしていました。

それだとちゃんと出席扱いになるからです。

体育なんか当然見学。

中学が過ぎ、高校生になりようやく医者から軽い運動ならOKをもらった彼は、体を鍛えようと剣道部に入りました。

それも一年の秋になってから。

その学校は県下でも常にベスト4に入るような強豪だったので、レギュラーになろうとか試合に出ようとか考えていたわけではありません。

ただ、体が強くなりたかった、それだけです。

 

火木土がクラブの練習日なので他の月水金は先輩に頼みこんで屋上で素振りを見てもらっていました。

先輩だってクラブの休みの時には休みたいわけですが、それを「どうかお願いします」と必死に頼みこんだのです。

とにかく何千回とただ竹刀を(練習用の竹刀なので少し重い)延々と振り続けたのです。

他の部員は小さい頃から町の道場に通っているような生徒ばかりだし、中学でも剣道でレギュラーだったような子たちですから、実力は比較するまでもありません。

ましてや彼は入部したのが他の一年生より半年も遅いのです。

 

その学校は警視庁で剣道を教えている先生を師範として迎えていました。

三年生の春、そろそろその学年でレギュラーを決めなければならなくなった時、部員全員の前で師範はメンバーを発表していきます。

先鋒、次鋒、中堅、副将と次々に名前を呼ばれ、最後の大将に指名されたのはなんと全く試合経験のない彼だったのです。

さすがに他の部員は憮然としましたが、当然師範がものすごく怖いので文句は言えません。

 

指名された本人は後で師範のところに話をしに行きます。

「どうか、お願いですから、僕をレギュラーから外してください」

そりゃそうですよね。

でもその時、師範は次のように言ったのです。

「おい〇〇(彼の名前)、お前は剣道が好きか?」

「ハイ、好きです」

「そうか。おまえが他の誰よりも一番練習をしているのを俺は知っている。だからお前が大将なんだ」

彼はこの話を僕にする時に目に涙をためていました。

聞いてた僕も一緒に涙が浮かびました。

 

そんなある日、師範が当時日本一だった警視庁の後輩を連れてきて稽古をつけさせました。

誰よりも練習熱心だったけれど、誰よりも弱かった大将の彼は当然対峙しなければなりません。

正眼に構えた彼はふと相手の左胴にスキがあるのが見えました。

と思った瞬間、知らないうちに足は床を蹴っており、体は宙を舞い、日本一の剣士になんと抜き胴を打ったのです。

見事に決まりました。

一本!

相手は油断があったとかなかったとかではなく、ただ茫然としていました。

それ以降、彼は大学生相手でもほとんど負けなかったといいます。

 

この男性、実は僕より一回りも上なんですが、奢ってくれるというもんで、その後一緒にバーに飲みに行って偉そうに喋ってました(僕が、笑)。

そして次の日の土曜日、気づくのです。

何ごとも過ぎたるは及ばざるがごとし。

あったり前のように二日酔いです。

そんな時に限って真面目な相談のメールを複数頂いたりします。

メールをくださった方、もし返信に愛情の欠片も感じられないようであれば、それはひとえに体調のせいであります。

と言い訳しておいて・・・・。

 

もうすぐ子供たちが為ちゃんキャンプからご帰還。

あ、帰ってきた。

またいつもの騒々しい西塔家に戻ります。

 

最後に一軒お店のご紹介を。

ならまちにある「心樹庵」さん、日本茶と中国茶の専門店でランチもやっておられます。

この店のことはずっと知っていたんだけど、なんだか入りにくくて敬遠していました。

木曜の休診日に妻とお昼にお茶をしようと初めて入ったのですが、すごく良かった。

町屋作りで、座敷もあり中庭が見えてすごく落ち着きます。

お茶はポットで供されるお湯を急須に入れるのですが、お湯の温度や蒸らす時間を変えるだけで味が変わっていくのが楽しめます。

一煎目、二煎目、三煎目、、、、と延々飲んで、お腹タプタプ(笑)

今度もうちょっとゆっくりしにいこう。

お店の人も愛想が良い、ていうか当院の患者さんでありました。

その日僕は頭に手ぬぐいを巻いて、Tシャツに短パンという姿でして、お店の奥さんに「鯛焼き屋さんですか?」と聞かれました。

実はうちのビルの横の路地を入っていった所に「小太郎」という昔風の人気の鯛焼き屋さんがあり、眼鏡もかけている僕は言われてみれば確かに小太郎のご主人に似ている。

「いえ、違います。似てるとは思うけど僕の方が若いし。家は近いですけど」と言うと

「あ、もしかして歯医者さん?」

「そうですけど、え?患者さんですか?」

 

ということで、オススメのお店です。

奈良に来られたら是非「かえる庵」でお蕎麦と、「心樹庵」でお茶していってね。

明日より8月でございます。

2011.7.31

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