おそらく日本中の多くの歯科医が本日付のブログで書くであろう話題をここでも取り上げます。

 

東京八重洲で開業している歯科医が下顎にインプラントを埋め込む手術中に患者さんの容態が急変して死亡事故を起こし先日書類送検された件です。

残念なことにインプラントが普及するにつれ、医療事故も増え訴訟も増加傾向にあるのは否めない事実です。

きちんと研修を受けずに歯医者というだけで誰でもインプラント治療ができるのはおかしいと言われます。

でもそんなこと言ったら、国家試験通ったら誰だって抜歯できるのもおかしけりゃ、医者であれば免許さえあれば盲腸の手術したって違反じゃないわけですから、どこで線引きするの?という話です。

インプラントだけを取り上げてそういうのはちょっと違うでしょう。

もちろんロクに研修も受けずにインプラント手術をするなら、それは良識の問題としてその歯科医はいかがなものかと相なります。

 

インプラントで死亡事故を起こすのは通常下顎で、それも動脈を傷つけ出血多量になるか、それにより二次的に気道が閉塞し窒息するかのどちらかです。

手術の際に危険がつきものなのは、インプラントに限らずどの手術をとってもそうなわけで、だから我々は常に細心の注意を払うのです。

書類送検された歯科医は自分にミスはなかったと言っているそうですが、本当のところは誰にもわかりません。

ミスがあったかもしれないし、なかったかもしれない。

警察や検察の取り調べなど、基本的に先にストーリーありきだから信用するに足りません。

 

亡くなった患者さんのご家族は、そりゃさぞ無念でしょう。

歯医者に行って来ると言って家を出たっきり帰ってこなくなったわけですから。

しかしこれにもきちんと霊的意味はあるのですが、今はそれを問題にしたいわけではありません。

 

さて、医療過誤による死亡事故は当然ですが圧倒的に医科の方が多いのです。

それを逐一テレビで報道していますか?

テレビで流されるより実際ははるかに多いのです。

インプラントで死亡事故まで起こるのは稀だとはいうものの、今回なぜ書類送検というくらいで大々的にニュースに取り上げられたのでしょうか?

 

僕はNHKの9時のニュースを見ていましたが、こういう歯科関係の問題が報道される時、明らかに違和感があります。

なんか変な感じがするのです。

あえていえば、無理やりこの1分間の映像作ってるやろ、みたいな。

昨日のNHKでいえばまず事件の概要を流してから、インプラントで恩恵を受けた患者のインタビュー(これは顔出し)、そしてインプラントでトラブルを被った患者のインタビュー(顔なし、音声は変えてあります)、インプラントは儲かりますと言ってるアホな歯科医の話(こんなもの顔出ししないのなら、一般人が喋ってたってわかりません)、時々東京医科歯科のあまり賢そうにない教授の話が挿入されます。

偏らずに編集されているようですが、一般人が見た後に残る感覚は「インプラントは恐い」

 

つまりね、こういったものは意図的に流されるのであって、今回の場合であれば流行りのインプラントに釘をさしておこうという誰かの注進で出来たVTRだし、各メディアも大きくなくてもいいからこれをニュースにして流せと指示されたのです。

マスコミはこのようにして動いています。

 

VTRを流した後に男性アナウンサーが言うのですが「インプラントで恩恵を受ける場合もあるわけですから、やはりきちんとインプラントによるメリット、デメリット、また手術に伴うリスクなどをきちんと説明してくれる歯医者さんがいいですよね」

もっともらしいようで、なんか歯切れが悪いです。

これ聞いて、「あ、もしかしたらコイツも自分の口の中にインプラント入ってるんちゃうか?」

 

言われたようなことは通常ごく当たり前に説明しているはずですし、だからこそ術前にCTを撮影するのです。

当院であれば他の病院に撮影依頼していますから、患者さんに2~3万の実費を払って頂いています。

たかがレントゲンにそれだけのお金を払ってもらうわけですから、なぜそうまでしてCTが必要かというのを、どういうリスクがあるのかと共に説明しないと撮影依頼なんかできないでしょ。

 

ところで皆さん、「たかじんNOマネー~人生は金時なり~」って見てます?

僕が一週間で一番楽しみにしている番組で、あり得ないようなゲストを呼んできて本音を喋ってもらう、もう最高に面白いです。

キー局はテレビ大阪で土曜日の昼1時から放送なのですが、奈良テレビでは昨日の月曜日の夜8時からです。

昨日のゲストは話題の経済産業省大臣官房付の古賀茂明氏でした。

そこで語られる官僚と政治家の実態とは・・・・・。

本も書いてらっしゃるので、興味ある人はどうぞ。

その後チャンネル変えたら9時からのビートたけしの番組でも出演しておられました。

 

皆さん官僚機構をどうすれば良いか、喧々諤々話されるんだけど、誰一人として教育のことを話題にする人はいなかった。

だ~か~ら、言ってんじゃん。

これ全部、教育の問題なんだって!

小学生の時から面白くもない塾通いさされて、東大入ってようやく官僚になったのなら、そりゃここからは人生楽しく過ごそうとするのは無理からぬことでしょう。

むしろ古賀さんみたいなのが奇特な人なんです(本当は皆こうあって欲しいのですが)

ずっと人を蹴落としてきて受験戦争を勝ち上がってきた上に省内でも出世のための競争は続きます。

もちろん官僚機構、官僚と政治家の関係なども問題ではありますが、根底にあるものを見つめないと話は先に進みませんよね。

その程度の番組と出演者であるということでした。

 

本当に早急に手を打たなければいけないのは、現状の社会構造の改革じゃなく、教育改革です。

そうすれば社会など自動的に変わっていきます。

アホな教育受けてきた人たちが作って、そこに住んでいる社会を今更どうこうしようと思ったって無理なんだって。

現役世代の僕たちは泥水を飲んででも、次の世代には違う社会を継承していかなくちゃ。

実際には次の社会は今の子供たちが作っていくので、彼らがそのために活躍できるような状況を作っておくことこそが急務なのです。

明日はちょっと考えさせられるお話。

2011.8.2