子供の教え
本日は少し聞きづらいお話です。
あ、読みづらいか。
話し言葉で書いてるので、つい勘違いしちゃいます。
当院に来られるお子さんで天使の子、多いです。
また昔天使だった大人の人もいらっしゃいます。
名残はあるんだけれど、まあ世間に揉まれて今は普通の心やさしい人。
天使の子供の場合、付添いのお母さんにその旨をお伝えすることもしないこともあります。
今日お話しする女の子はどうだったか忘れちゃいました。
初診の時、まだ4歳にもかかわらず虫歯だらけで、これはお母さんに(この人だったら伝えても大丈夫と思ったので)そのスピリチュアルな原因をお話しました。
するとそのお母さんは
「なんか分かる気がします。実はこの子、わたしに『おかあさん、ほんとはワタシのことキライでしょ』と言うたことがあります」
と教えてくださいました。
そのうちサイドメニューに書きますが、当院におけるお子さんの治療は、本当にきちんと治療しようとして子供にストレス与えるよりは、多少いい加減でも数年後にまともに治療をさせてくれるように、というスタンスで臨みます。
ここで言ういい加減というのは、泣いてる子に麻酔して虫歯になっている所を徹底的に取る、ということをしない、ってこと。
今は材料が進化しているので、麻酔なしで取れるだけの虫歯を取って、あとは抗菌作用のある樹脂を詰めて終わり。
乳歯の治療で大切なことは、永久歯が生えてくるまでの間、その場所に歯の形をきちんと保って存在してくれているということです。
それにより正しい位置に永久歯が誘導されて生えてくるのです。
正しい永久歯列の獲得こそが小児歯科の目的。
ストレスなく治療を何回かやっていると、そのうち麻酔しても大丈夫なようになってきて、2、3年もすれば大人と変わらず治療できるようになるものです。
子供により多少違いますが、無理せずに最低限のことをして待ってやると、絶対にきちんと出来ます。
で、先に述べた女の子もたくさんある虫歯をそのようなスタンスで治療しました。
今日詰めたところが半年後にまた取れることもあります。
それでもそれを繰り返す方が良いと母親には伝えます。(あくまでも僕の考え方)
何度かそういうことをくり返しながら彼女は今や小学3年生になりました。
背も随分伸びています。
歯が痛いということで来たのですが、永久歯の生え代わりによる痛みでした。
ただし下から永久歯が生えてきているにもかかわらず、乳歯はボロボロになりながらも抜けていません。
普通は生えようとする永久歯に突き上げられて乳歯は根の先から少しずつ溶けていき、そのうちコロリンと抜け落ち、そのあとには永久歯の頭が見える、そういうものです。
ではなぜ彼女の乳歯は抜けなかったのでしょう?
いかにも抜けるのに抵抗しているように見えます。
これはね、大人になりたくない、ずっと子供のままでいたい、という潜在意識を表しているのです。
どうして大人になりたくないのか?というと、そりゃあなた、大人は嘘をつくからです。
どんな嘘をつくのか?
お父さんとお母さん、いつも色んなこと言ってるけど、二人を見てたら全然幸せそうじゃないじゃん!
嘘つきっ!
こういうことです。
僕はすぐに気づきましたが、さすがに子供が大きくなっているので、お母さんだけこそっと呼んでお話しするのは控えました。
このブログを読んでいただければ自分のことだとお分かりになると思うので、そうあって欲しいと願うのですがさて、どうでしょうか。
なかなかに、考えさせられる話なのです。
2011.8.3