Poor Bears ~可哀想な熊たち~

先月に懇談のために藍が奈良に帰ってきて、そして福井に戻ったその日に昨日ご紹介した所の裏庭に熊が出ました。

小熊じゃなくりっぱな熊です。

夜、鶏の変な鳴き声がするのでコミュニティの女性の一人が鶏舎に見に行ってみると、チャボがいる鶏舎の金網を破って中には熊が。

その熊と正面切ってご対面して、彼女は固まってしまい、おまけにガオッと目を見て吠えられたもんだから腰が抜けてしまったそうです。

その後、ほうほうの体で他の皆を呼びに行き、車のヘッドライトを当ててもクラクションを鳴らしても熊は一切動じず、仕方なく地元の猟師さんを呼び鉄砲で撃ってもらいました。

山に帰すという手もあったのですが、すでに鶏を一羽殺していたので危険だというので殺処分となりました。

熊は鶏を食べたかったわけではありません。

鶏の餌としてオカラを混ぜたものをやっているので、鶏が食べたそれが欲しかったのです。

 

以前に京都で里に下りてきた熊が次に滋賀で目撃され、最終的に福井で村に下りてきて撃たれた時にはガリガリに痩せていたといいます。

京都から福井まで山の中を行脚しても、ほとんど餌がなかったということです。

 

昨日の写真で周囲の山や畑が写っていますが、山にあるのはすべて植林された杉です。

そして今は不要になり、ほったらかしで誰も手入れする人がいません。

山をよく見ると腐った杉が所々倒れたりしています。

一見、山であり林であるのですが、ほとんど生命力がない状態です。

そして僕たちが福井に行った数日前にも大々的な農薬の空中散布があったそうです。

皆さんが日頃スーパーやJAのアンテナショップなどで〇〇さんの野菜とかお米とか写真入りで紹介されて、生産者の顔が見えるから安心と思って買っているものの実態はかような農薬漬けのものです。

JAを通すからには例外はあり得ません。

 

僕が前に訪ねた時に福井のそこはミツバチを飼っていました。

ところがある日、蜂は蜜を集めに行ったきり巣に帰ってこなくなったのです。

これは典型的なネオニコチノイド系の農薬の影響なのですが、脳神経系に作用して帰巣本能を侵してしまうのです。

 

そもそも農協というのは農家を守るものであったはず。

日本の農家の虐げられてきた歴史を考えれば、至極当然とも思われます。

しかし今や農協はJAと名前を変え、強大な力を持つようになり、その目的は農家の保護というよりは自分たちの組織をより強くしていくことに移行しているように見えます。

当然農薬の製造業者や政治家や様々な癒着構造もあるでしょう。

 

農薬や除草剤を使わなければ、農作業というのはどれだけ大変なことか。

それはよくわかります。

でも無農薬栽培をして実績をあげている農家も今は徐々に増えてきているのです。

また化学、有機にかかわらず肥料も一切やらない農家もいらっしゃいます。

最初は地獄を見ますが、それでも土に溜まった肥毒を数年がかりで除去し、土本来の力を取り戻し、いわゆる自然栽培にチャレンジする方もおられます。

その中で、皆さんご存知の「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんのような方の存在は、そこを目指す農家にとって非常に勇気づけられるものでしょう。

なんたって木村さん自身が自然栽培を試みて、ほとんど収穫がなく森に入り込んで自殺の一歩手前までいかれたんですから、説得力が違います。

 

要するに最初は過去の清算がありますので厳しいでしょうが、必ず出来るようになるのです。

一切農薬も除草剤も肥料すら使わない農業というものが。

自分のところで消費する農作物に関しては、ごく限られた田畑で農薬を一切使わずに育てる。

流通するものに関してはJAに従う。

こんなの人間としてそれで良いのか?ということになってきます。

おそらくJAはあと数年は現状から大きく変わらないでしょうが、本当の農業をする若い人がある一定数にまで達すればもうその存在意義が問われるようになります。

それまでに自ら変革できるかどうかですね。

 

前にも言ったかもしれませんが、もし僕が総理大臣になればまず一次産業をもっと復興します。

こんなの国力(対外的な意味合いではありません)の基礎中の基礎です。

日本人は本来菜食だという僕の考えからすれば、酪農だったり漁業などに対してはコメントしづらいのですが、少なくとも米と大豆は100%国産で賄わなければならない。

そして良い塩がとれるきれいな海を取り戻す必要があります。

それさえあれば、食に関してはもう大丈夫なのです。

 

そして今よりは内需に目を向けるようにします。

中国の人口が多いからといって、裏では中国人のことボロクソに言ってるくせに、消費地として利用するだけはしようというような下司な考えがいつまで通るでしょう。

そもそも消費に対する考え方そのものが幼稚なのです。

毎日一時間当たりどれくらいの新車やテレビなどが生産されているのか知りませんが、そのことを異常だと感じない方がおかしいと思いませんか?

豊かになるというのはそういうことではないでしょう。

今ある企業のトップの人たちの中で、自分の会社の10年後を考えている人は多いでしょうが、地球や人類の100年後を考えている人がどれだけいるか非常に疑問です。

 

話が大分と逸れましたが、JAを例にとるまでもなく、いつも言いますように自分を守るために〇〇と戦うという姿勢からは何も生まれません。

というよりその戦いに勝つことによって最終的には、また別の歪んだ世界を作るだけです。

歴史を学んだはずの人たちが、また同じことことを繰り返していて、じゃあ歴史の授業は何のためだったの?と私は言いたい。

 

熊は果たして成仏できたでしょうか?

ちなみにそこでは蛇どころかマムシも時には出るそうで、今のお母さん方は「そんな所へ藍ちゃんをやって心配じゃないの?」と言われるわけです。

う~ん、ウザい。

大文字2011

最後のお口直しに一昨夜の高円山に光る大文字の送り火とお月さまを。

当ビル屋上より撮ったものです。

福井でもそうでしたが奈良でもずっと月がきれいだったので、燈花会に来られた方はより強く印象に残ったのではないでしょうか。

 2011.8.17

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